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喜ばせ上手、救急車で運ばれる〜人生は人喜ばせ合戦4
チェーンナーさんのバトンリレー企画「人生は喜ばせ合戦」最終日。
4本目の今日は、失敗談です。
大学時代、某ホテルでのカクテル飲み放題イベントに誘われて、ウキウキと出かけたことがあります。
テーブルが埋まるほどのリキュールを自宅に揃えて、【バーテンダー】をしている友人にとっては、二度目の来店。
「今日は千夏ちゃんの好きなの頼んで。
全部飲まなくていいよ。
千夏ちゃんが味見をした後、俺が飲むから」
お酒に強い友人に甘えて、私は次々にフルーティーなカクテルを頼みました。
「わ!グレープフルーツが香り豊か!幸せ〜」
「あのフルーツが、こんな味になるんですね!」
「キレイな色〜!」
「素敵!レモンでこんなにゴージャスになるんですね!」
(レモンの皮をグラスにぐるぐる巻いて飾ってくださった)
「こんなにまん丸な氷、どうやってつくってらっしゃるんですか?」
私たちが歓喜するのも、お酒に詳しい友人とのお酒談義に花が咲くのも、バーテンダーさんはとても嬉しそう。
採算度外視で、さまざまなカクテルをつくってくださいます。
バーテンダーさんも、私たちも、〈喜ばせ上手〉と〈喜び上手〉の二役を堪能しているような感じでした。
*
ところが…
どれくらい経ったでしょう。
あれ?
化粧室から席に戻った友人が、私の隣りでフリーズしている?!
バーテンダーさんがチェイサーを出しながら、心配そうに声をかけます。
「申し訳ありません、私がお客様の様子をしっかり見ておかないといけないのに…」
あまりに美味しくて、バーテンダーさんがご機嫌なのも嬉しくて、飲みすぎてしまったのです。
友人が立ち上がれなくなったので、バーテンダーさんが救急車を呼んでくださり、私も同乗して病院へ。
急性アルコール中毒でした。
ホテルでよかった。
気づいていただけてよかった。
無事でよかった。
✳︎
この心臓がつぶれるかと思う経験から、私は身体の変化に敏感になりました。
〈喜ばせ上手〉と〈喜び上手〉が両立するのは楽しいけれど、喜ぶあまりに舞い上がったりするのは、要注意。
お酒を飲んでいると、
「あ!もう限界!」
とわかるのです。
どんなに美味しくても、どんなに名残惜しくても、お代わりしない。
おかげさまで、二日酔いに苦しんだ経験も皆無です。
一方で、人のグラスにお酒を注ぐのが苦手。
上司先輩のグラスに配慮すべき職場の飲み会などは、なんだか居心地が悪かったのを覚えています。
(おかわりの注文など、今でも苦手……)
✳︎
救急車のお世話になった友人は、その後、飲みすぎることはなくなった、かな。
渋いバーテンダーさんがいらっしゃるバーの常連さんになって、私にも〈大人な飲み方〉を教えてくれたのが、懐かしい思い出です。
*
チェーンナーさん、バトンをつないでくださった ふらおさん、学生時代を懐かしく思い出す機会をありがとうございます。
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御影石 千夏
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