見出し画像

離婚を考えたときに最も辛かったこと〜単独親権の問題

子どもたちの別居から数ヶ月経ったころの私は〈円満な別居〉を願っていましたが、実現が難しいことを感じてからは、離婚を考えるようになりました。

この段階で、私を悩ませたのが『親権』(*)です。

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、『親権』は夫か妻、どちらか1人しか手にすることができないからです。

(*)親権とは
「親権」とは,子どもの利益のために,監護・教育を行ったり,子の財産を管理したりする権限であり義務であるといわれています。親権は子どもの利益のために行使することとされています。
 父母の婚姻中は父母の双方が親権者とされており,父母が共同して親権を行使することとされています。
 父母が離婚をする場合には,父母のうち一方を親権者と定めることとされており,離婚後は,その者が親権を行使することとなります

法務省>離婚を考えている方へ~離婚をするときに考えておくべきこと~>親権者


離婚した場合、私は夫の戸籍から抜けて新たな戸籍をつくることになります。
子どもは、私が親権者であれば私の戸籍に、夫が親権者であれば夫の戸籍に残る、そのどちらかしかない……。

夫婦関係の解消(離婚)に伴って、母と子 or  父と子のいずれかの関係を強制的に断つ法律があることを、別居して初めて知りました。

この法律のどこが「子どもの利益を守るため」なのでしょう。
子どもにとっては、一生、母親は母親、父親は父親であるはずなのに。

そもそも、どうやって親権者を決めるというのでしょう?

 親権者は,まずは父母の協議によって定めることとされています。子どもの監護・教育に関する事項(進学,医療等)や,財産に関する事項について,父母のどちらが決定するのが子どもの利益となるのかという観点から,しっかりと話し合うようにしてください。
 協議によって定めることができない場合や,協議をすることができない場合には,協議離婚をすることができませんので,家庭裁判所における調停や裁判によって離婚することとなり,親権者も,その手続の中で定められることとなります。

法務省>離婚を考えている方へ~離婚をするときに考えておくべきこと~>親権者


「しっかり話し合うように」
と言われてできるようなら、離婚にはいたらないように思います。

(実際、我が家では夫婦間コミュニケーションに問題があることから、私・夫・息子・娘が個別にカウンセリングの時間をとっていました)

父母のどちらもが子どもとの暮らしを望み、身体的・精神的に問題がない(子どもが危害を加えられる心配がない)場合、「どちらが子どもの利益になるか」なんて、誰に判断できるというのでしょう。

 親権者は子どもが住む場所を決めることができますので,子どもは親権者と暮らすことになることが多いと考えられます。
 なお,親権は子どもの利益のために行使することとされていますので,親権者であっても,他方の親と子どもとを会わせたくないという理由だけで子どもを連れて転居するといったことをしてはいけません。ただし,相手から身体的・精神的暴力等の被害を受けるおそれがあるなど,子どもの最善の利益に反する場合には,このことは当てはまりません。

法務省>離婚を考えている方へ~離婚をするときに考えておくべきこと~>親権者

子どもとの暮らしを切望する私にとっては、親権がなくなるなど考えられません。

ところが。

娘は、カウンセラーさんにこう言ったそうです。
「パパがかわいそうだから、離婚するならパパと住む」って。

12歳の娘に「かわいそう」と言わしめるなんて……

当時の私はショックのあまり、夫を憎みました。

娘に「かわいそう」と思わせているのは、自分でもあることを棚に上げて。
(誰かのせいにしないと自分を保てない状態でした)

これを聞いた14歳の息子は
「将来、妹が自分の選択を後悔しないように、俺は(自分がどう思っていようと)妹と同じほうを選ぶ」
とカウンセラーさんに伝えたそうです。

当時、息子は夫とかなり衝突していました。
にもかかわらず、妹のためを想える息子の器の大きさに触れて、胸が締めつけられました。

そして、子どもたちにそれほどの負担をかけている自分が不甲斐なくて不甲斐なくて、号泣するしかありませんでした。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

子どもたちが夫と住むことを明言している以上、親権の争いようがない。
当時の私はそう考えました。

・子どもたちと過ごす時間を増やせるように、工夫しながら別居生活を続ける?

それとも

・離婚後も子どもたちと過ごす時間を確保できるように、弁護士に相談する?

袋小路に入った気分だったのです。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

今回のエピソードは、つむぎまどかさんの記事に涙したことから綴りました。

子に親を選ばすとか、どんな罰ゲームやねん。

vol.61【ワタシノ子育てノセカイ

「どちらが子どもの利益になるか」という前提そのものが間違っているのでは?
『当事者』になってわかったことが、私にはたくさんあります。

同時に、『当事者にならないとわからない社会の問題』が、いかにたくさんあるかについても知るようになりました。

まずは、知ることから始めよう。
『当たり前』を疑うことから始めよう。
未来の子どもたちのために、大人がリベラルアーツを学ぶところから始めよう。

そんな想いで、コーチとして活動しています。

私が〈母親〉になれたのは、間違いなく、夫との出逢いがあったから。

いろいろなことがありましたが、夫婦となり、親となり、共に歩んでこられたことに、いまは感謝しかありません。

〈夫婦〉という関係がどう変わろうとも、〈父親〉と〈母親〉というそれぞれの役割は生涯続けていくつもりです。

親権を失いかねなかったのは、知らなかったから

「私が私である」ことの確信へ導く魔法使い
御影石 千夏


▼関連記事


▼別居経験から得られた、家族も自分も幸せになる秘訣
(Kindle Unlimited対象)


▼御影石 千夏のプロフィール







*いつもお読みいただきありがとうございます* スキ&コメントをいただけると、とても嬉しいです。 いただいたサポートは note内で循環させていただきます。