繊細な女のぼやき(短編小説)
※この話はフィクションである
私はとにかく疲れたのである。
人の多い道路を歩くのも、嘘まみれの会話を聞くのも酒を無理やり飲むのも、マッチングアプリの通知も嘘ばっかで疲れたのである。大人になると何故本音を言うと自己中だの、幼稚だの思われるのだろう。直接言われたわけではない。無論そんなの言ってくる奴、この令和に居るのだろうか。
とにかく滅茶苦茶疲れたのである。
私は神経質なのかもしれないと思い始めたのは24歳くらいである。恋人の些細な言葉遣いや舐め腐った態度が親しいから出たのではなく、身から出た錆だろうと思っていた。高校時代の担任が努力なんてするな。身から錆が出るなんていう戯言を真剣な目で言っていて当時はふざけてる。馬鹿げてると思う反面、努力しなければいい話?とも思えていた。今思えばそんな所なのではないかと思うし、身から出た錆というのは悪いものもそうだと思うんだ。樹液のように溢れ出てしまう人間の汚い体液なのだと思っている。だんだん恋人を愛せなくなりはっきりと口で別れよう。と言ったのを今でも覚えている。もう五年が経つ。
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