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猫のいない庭⑦


第一〇話『乱気』

私は山本さんちの庭で軽く雑談をした。奥さんやお子さんはいないそうだ。仕事に人生を捧げたんだとか。良い余生を送るために田舎に家を買ってたまに戻っているらしい。現役で印刷業の仕事を経営してらっしゃるだとか。本当に他愛もない話だった。私のことも少しは聞かれたが特にこれと言って何もなかった。『力になれずにすまないね、またもし会えたらお茶でもしようか。』やっぱり普通の人だと思った。あたりは目ばゆい橙色ですぐに肌寒くなった。私は仕事を残したままできたので急いで帰宅した。みぃちゃんはリラックスしていて足に絡んできた。そして翌朝、いつものように小さいテーブルにトーストを乗せてバターと砂糖を少しだけかけて珈琲と一緒に愉しんでいる時にニュースに目をやると衝撃的なことが発覚した。

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