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第27回 腸【朽羊歯ゾーンのWoundTube】


【朽羊歯ゾーンのWoundTubeとは】
朽羊歯ゾーンが一日一回何かを書くシリーズです。しょうもない発見や考えを真面目くさった文章で書く、1000~1500文字程度のエッセイくずれの文章が多いですが、そうではないときも多いです。どこから読んでも構いません。WoundTubeとは「巻かれた管」=「くだを巻く」という意味です。


今日は、気持ち悪い話になってしまった。内臓や下の話が苦手な方はブラウザバック推奨。

ショート動画はnoteに表示されないのか。リンクは正常そう。

貼ろうとしたのは、英語を話す外国人たちに、お菓子の「コロン」の説明をしている動画だ。「コロン」は英語で「腸」らしい。チョコレートコロンで全員「詰んだ」とでも言いたげな顔になっていた。

「コロン」という名前を聞かされた外国人の一人が「ホルモンってどの部位だ? 英語ではそれがコロン」という説明をする。

「腸か……まあ、でも思ったよりはマシだな。おいしいもので例えてくれてありがとう」と思った瞬間、動画からパワーワードが放たれた。

「クリーム結腸」。

一瞬で不快指数が跳ね上がった。今度は私が詰んだときの顔になった。

しかし、考えてみれば不思議なのだ。私はホルモンが大好きだ。クリームも大好きだ。焼肉食べ放題ではもっぱらホルモンとアイスクリームを食べている。それが組み合わさったからといって、大した不快感にはならない。しかも、私は砂糖味の豚の炒め物をおいしく食べたことがあるのだ。


一つ考えられる理由としては、「尻から生クリームが出た」という内容の一発ギャグを見たことがあったことだ。そのときは何とも思わなかったが、「クリーム結腸」という言葉で、尻から出る手前の生クリームが生々しくビジュアライズされたものが意識に上ったのかもしれない。

普段私は、話をあまり詳細にビジュアライズしながら聞いていない。特に、下の話題の場合は、無意識にギャグマンガチックなデフォルメをすることで、グロテスクさよりも笑いが勝つようにしている。

しかし、それはワードミュートのようなもの。「尻」など、そのもののワードが文脈か言葉に入っていなかった場合、不意打ちを食らうことがあるのだ。

「結腸」なんて言葉は、もちろんミュートに入っていない。英語と日本語の違いを面白がる文脈で、なおかつ話の本質は聞いた後。そんなこんなで、私の脳は気を抜いたらしい。「クリーム結腸」。

今まで、ワードミュートをすり抜けてデフォルメ失敗した言葉は、これ以外に二つある。一つは「ゴミ箱味噌汁(東海オンエアがグループ名を決めたとき有力だった候補)」。もう一つは回文。クローズドなスペースで発表されていたので掲載は控えるが、「潮」が効いていた。

使いこなせるようになれば、間違いなくいいホラー小説の描写ができるだろう。第24回でもほんの少し触れているが、私はそういうのが好きだ。


また、「クリーム結腸」という言葉を聞いた瞬間、私の脳内に浮かんでいるホルモンが丸まる感覚があった。

腸を「食べる状態に開いたもの」と認識していたのに、急に中に物が詰まっている可能性を示唆されたからだと思われる。腸の別の側面を認識したのだ。

これも何かうまく使えないか、と思っている部分がある。物にはいろいろな側面がある。どの側面を取るかで印象を操作できる。大喜利やウミガメのスープにも近いものがありそうだ。


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