第30回 最後の審判盆踊り【朽羊歯ゾーンのWoundTube】
絵画に詳しいフォロワーが多く、少しだけ興味を持って本を借りてきた。
いろいろな時代の巨匠の生き方と作品を、フランクに紹介する本。まだ最初の方しか読んでいないが、とりあえずレオナルド・ダ・ヴィンチが紀元前の人でないことを知って恥ずかしかった。あと『見てここ、4コマ』が出てきた。
さらに、ミケランジェロの『最後の審判』という絵も載っていた。これだ。
人が多すぎて何をどう見たらいいのかもわからない。「構図は破綻して不安定」と書かれていたが、そうなのかどうかもわからない。とはいえ、文字ばかりを読むのは私の悪い癖なので(美術館に行ってもずっと解説を読んでいる)、とりあえずざっくり分かれているように見える中から真ん中のパートを注視してみた。
そういう盆踊りに見えた。
やりたい。真ん中の人(神かもしれない)、右の人たちとノリノリで掛け合いをしているじゃないか。考えてみれば、真ん中の人と掛け合いのある盆踊りはあまりない。普通は太鼓を叩いているからだ。こういうのがあってもいい。
前の人との隙間がないのも珍しい。満員電車や人ごみを想像すると不快だが、「押し合うタイプの祭り」としてなら逆に楽しいかもしれない。だって人は、おしくらまんじゅうを楽しめるじゃないか。
斜め後ろの人も、ソーラン節っぽく両腕を伸ばして、男性的な振り付けで踊っている。きっと男踊りと女踊りがあるのだろう。楽しそうだ。
左のおじさんはめちゃくちゃ見ている。後ろの人は少し体を引きながら見ている。イベントをガン見しながら通り過ぎる人と、ちょっとよけながら顔で見る人。いるいるいる。
一番気になるのは、真後ろの人たちだ。泳いでいるようにも飛んでいるようにも見える。泳ぐ振り付けがあるのか。それなら流れるプールでやるしかないじゃないか。そういえばみんな裸だ。みんなで流れるプールに行こう。泳ぎ、踊り、掛け合いを楽しもう。
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