2023年5月12日﹣毎日散歩計画14日目
5月12日。毎日散歩計画14日目、晴れのち雨。
だんだんと空が暗くなってきて、いまにも雨が降りそうだった。横断歩道で信号待ちをしていると、すぐ隣に1台の自転車が止まる。
赤信号の目盛りが減っていくのをまっすぐ見ていたので、その声が自分にむけられたものであることになかなか気づくことができなかった。自転車に乗っていたのは、オレンジ色のパーカーと濃紺のキャップがよく似合う、推定70代の女性。
「足元ガタガタしてるから気をつけてね」「もうすぐ雨が降ってきそうね、大丈夫?」
まるで昔から知り合いのご近所さんのような、近すぎず遠すぎないカラッとした気遣いに嬉しくなる。
「あたし今から、うちにいるオカメインコの餌を買いに行くのよ〜」と言いながらペダルに足をかける。信号が青に変わる。「ちょっと遠いから急がなきゃ。あなたも気をつけて帰ってね」と、右足を踏み込んだ。「ありがとうございます!お気をつけて!」と走り出した彼女に叫び、雨が降りはじめる前にと帰り道を急いだ。