緑黄色社会『夏を生きる』
Uさんの企画に参加します。50音あるし、のんびりと…、と思っていたら
あっという間に埋まりそうなので、
募集中の頭文字から、初めて聴く夏曲と出会ってみることにしました。
頭文字は「り」緑黄色社会
ご紹介する夏曲は『夏を生きる』です。
アコースティックギターとバイオリンを掛け合わせたような、心地よい歌声。
聴く者を引き込み、一緒に駆け出させてくれるようなメロディ。
MV自体が芸術作品のようで素敵だな、と、聴き始めました。
しかし、歌詞を読んでみると、その印象はがらりと変わりました。
MVで語られるのは、それぞれのアートな分野で「『本当』を表現したい」と努力を続ける二人の女性が、出会い、刺激を受け、それぞれに前進していく友情のストーリーで、とても美しく、一つひとつの表現にも様々なメッセージが込められていると感じました。
でも、でも、ごめんなさい。
実は、野球(観戦)好きの私には、歌詞そのものの世界観が、ど真ん中ストライクだったのです。
ぼんやりとした高校生活を送る女子高生。
透明なフリをして、実は空っぽな自分。
無意識に憧れていた「本当」を、
泥まみれでひたむきに、野球に打ち込む高校球児の眼差しに見つけて、
恋をした。
まっすぐな視線、長打をとばす活躍、汗にまみれた涙。
誰よりも近くで見て、誰にも負けないエールを送る、
これは「推しへの恋」?
いえ、ただ遠くから応援していただけ、ではないはず。
彼の「本物は『終わらないんだ』『変わらないんだ』」という言葉、
それらの熱い言葉は、この子が彼と向き合い、直接、受け取ったものなのだと思う(思いたい)から。
こんな思いを持てた彼女は、どんな「本物」に打ち込んでいくんだろう?
「君の続き」、という言葉が、ひとつのことに打ち込み、研ぎ続けて、どこまでも上っていくひとを表しているんだと思ったとき、また日本語という言語が好きになる。
そして、最後に繰り返される「逞しくあれ」は、ひとつは「君」に、もうひとつは「自分」に言っているのかもしれない、と思った。
君の続きが見たいから、君に逞しく、駆け抜けていってほしい。
君の続きが見たいから、私も逞しく、駆けていかなくては。
でもやっぱり、心打たれるのはこの言葉。
熱いからこそ、今しかない、今。
掴まえようと追いかけたけれど逃げられる、のではなく
生きて、駆け抜けて、制してしまえ。
夏という季節だけではなく、青春と呼ばれる時期だけではなく、
私たちはいつでも、「今」を熱く、駆け抜けていくことができる。
今を熱くするのは、持っていない「本物」をどこかに探すことじゃない。
今、手にしている「本物」に、打ち込み続けることだ。
この歌に出会って、ここ最近出会った色々なことと併せて、そんなことを考えました。
よい出会いを与えてくれたUさんの企画に、感謝です。
夏を生く駆け抜け顧みてみれば夢の跡こそ夢への正道
なつをいくかけぬけかえりみてみれば
ゆめのあとこそゆめへのまさみち
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