日本のアニメ・漫画の実写化から拭えないコスプレ感
日本のアニメ・漫画の実写化を観ると、劇中の登場人物たちがすごくコスプレっぽく感じてしまう。
これは何故だろう?
少し前に観た実写ドラマの「幽☆遊☆白書」もめっちゃコスプレ感が強かった。
一方、ハリウッドのアメコミ実写化はあまりコスプレっぽく感じない。
ワンダーウーマンとかすごい格好してるのに。
欧米人はコスプレも様になるから、なんて言う人もいるけども
それだけではない気がする。
画面に馴染んでいるか
日本の実写化作品を観ていると、キャラクターだけが画面から浮いているように見える。
キャラクターが画面に馴染んでいないのだ。
画面の中はフィクションの世界だが、そんなフィクションの世界にもリアリティは存在する。
日本の実写化作品は、いまいち衣装にリアリティを感じれない。
キャラクターのビジュアルが嘘っぽくなってしまっている。
ハリウッド映画などでは、奇抜なヒーローの衣装であっても画面に馴染んでいることが多い。
バットマンにしろスパイダーマンにしろ、あんな変なスーツなのに何故かリアリティを感じれる。
映像を見るだけで、彼らがこの世界に実在しているという説得力があるのだ。
実写化に伴いアップデートされているか
マーベルの実写化映画を見てみると、ヒーローのスーツが原作コミックと違うなんてこともよくある。
例えばキャプテン・アメリカ。
原作コミックでは言っちゃ悪いけど正直ダサい。
しかし、実写版ではあれを結構カッコよく仕上げている。
原作のイメージを損なわず、でも原作と比べるとまあまあ違う。
ハリウッド映画は、コミックのキャラクターを現実世界に持ってきたらどうなるかを考えて作られている。
スーツの素材は何なのか?
この色は現実ではどう発色するだろうか?
など、細かく考えていると思う。
スパイダーマンは3回も実写化されているが、比べてみると実はスーツのデザインがそれぞれ違う。
よく見てみると質感が違うのもわかるほどだ。
しかし日本の場合は、いまいち実写化に伴いアップデートされていないように思う。
原作の衣装をそのまま現実世界に持ってきたようなものが多い。
さっき挙げた「幽☆遊☆白書」でも主人公に緑色の学ランを着せてしまうほどだ。
作品の中でのリアリティよりも、原作に忠実であること優先している。
原作で緑色の学ランを着ていれば実写でも着せるし、原作で金髪なら金髪にしてしまう。
そもそもやっていることがコスプレ的なんだから、コスプレに見えてしまうのも仕方ない。
色
日本の実写化作品を観ると、色が嘘っぽいなと思ってしまうことがよくある。
絵の具をチューブから出してそのまま塗った風景画のような感じ。
赤は赤、青は青、黄は黄のような。
でも現実の色はそんな単純じゃない。
アニメは発色の良い色がよく使われている。
アニメの世界ではそれで成立しているけど、実写でそれをやると途端にリアリティが損なわれる。
衣装の発色の良さに合わせて、画面全体の彩度を上げてるような作品もよく目にするけど…
あれをしてしまうと世界全てが嘘っぽくなる。
髪の色を原作と同じにしたりもするが、あれも画面が嘘っぽくなる要因ではないか。
原作で真っ赤な髪のキャラがいるとして、実写化した時にそれと同じ真っ赤にするのはどうなのか。
赤にするにしても、現実ではどの赤が妥当なのか考えるべきだと思う。
それをそのまま真っ赤にしてしまうからコスプレになってしまう。
予算
ハリウッド映画には莫大なお金がかけられている。
それに比べれば日本の映画なんて足元にも及ばない。
それは衣装でも同じだろう。
ハリウッドなら一流のデザイナーに衣装をデザインしてもらい、素材などにも大金が使われている。
逆に日本は、むしろ衣装が経費削減の対象にすらなっている可能性がある。
デザインも原作のものをそのまま流用すれば、時間もお金もかからないかもしれない。
お金がかけられていないのなら、そりゃチープなコスプレになることは避けられない。
コスプレ脱却は無理かもしれない
今の日本映画の環境じゃ、コスプレ感を拭うことはできないだろうな。
原作っぽさを損なわずリアリティのある衣装を作るなんて、今の邦画業界にはハードルが高すぎる。
思いきって原作っぽさを捨てるという手もあるけど、それをやると原作ファンから袋叩きだしね…
日本のアニメ・漫画の実写化を観るのなら、もうコスプレ感を受け入れるしかないのかも。