美少女イラストが気持ち悪い理由
ここ数年、当たり前のように街中で美少女イラストを目にするようになった。
昔ならそんなイラストは気持ち悪いと罵られ、目にするのはせいぜい秋葉原のようなオタクの街に限られていたと思う。
しかし今では、企業や街が公式的にそんな美少女イラストを起用することも増えている。
時々、公共の場の美少女キャラが炎上することもあるが、今や気持ち悪いと言う方が時代遅れな価値観とされる風潮すらある。
最近、ラッパーの呂布カルマが炎上していた。
X(Twitter)で、美少女キャラが描かれたとある駅に対して気持ち悪いと発言した為だ。
その発言がアニメオタクから反感を買っている。
彼の発言に批判的な意見が多い理由はわかるが、僕は彼が言いたいことがなんとなく理解できる。
と言うか、僕も呂布カルマ側の考えかもしれない。
正直言って、僕も公共の場の美少女イラストを気持ち悪いと思うことがある。
恐らく彼は、美少女イラストそのものを気持ち悪いと言いたいわけではなく、公の場所にあのようなイラストがあることに対して、気持ち悪いと言ってるのだと思う。
僕は街中の美少女イラストに対し常に気持ち悪いとは思っておらず、日常ではほとんどスルーしているけど、よく考えるとこれが当たり前になっていることに違和感は感じている。
本当にオタク文化は受け入れられているのか?
僕が以前から感じているのは、世間が受け入れているオタク文化と、オタク側が受け入れられていると思っているオタク文化のギャップだ。
世間が受け入れているオタク文化って、漫画で言えばONE PIECEや鬼滅の刃とか、ゲームで言えばマリオやドラクエとか。
基本的にメジャーな作品のことだと思う。
言わばオタク文化の表層部分だ。
その証拠にクールジャパンとか言って推されているのは、大抵が少年ジャンプ漫画であったり任天堂のゲームであったりが多い。
一方、オタク側はオタク文化が全て受け入れられていると思っている節がある。
オタク文化と一言で言っても幅はかなり広い。
アニメだけでも、ONE PIECEのような少年ジャンプ原作の現在進行形のメジャーなものもあれば、過去の名作アニメなどもある。
なろう系の異世界転生モノやら、二次元アイドルの美少女アニメ、エロアニメ、BLモノなど。
とにかく幅は広い。
そういう幅広いものを、一緒くたに受け入れられていると思っている感じがする。
実際に自分のコアなオタク趣味を世にアピールする人がかなり増えた。
ただ、やはり世間は表層部分しか受け入れていないわけである。
そこにギャップが生まれる。
気持ち悪いと言えない空気
いつの間にか、オタクを気持ち悪いと言えない空気が出来上がった。
昔はアニメや漫画は子供が見るものと言われていたけど、作品のクオリティはどんどん上がり今や日本を代表する文化となった。
それに伴い、オタクも一目置かれる存在に格上げされたように思う。
芸能人でオタクを自称する人も増え、“オタク=気持ち悪い”という印象は薄まった。
しかし、オタクというものは根本的に気持ち悪いものである。
二次元の美少女キャラを愛でているオジサンは、今でも気持ち悪いことは間違いない。
良くも悪くもオタクは気持ち悪いのだ。
ただ、オタクを気持ち悪いなんて言ってしまうと、今では不寛容な人間だと思われてしまうし、ネットでそんな発言をすれば即炎上。
呂布カルマもいつも炎上してる。
世の中がそんな流れになってしまったが故に、オタクに歯止めが効かなくなったのではないだろうか。
本来、表に出すべきでないものまで表に出してしまっているのだ。
美少女イラストが気持ち悪い理由
今や美少女キャラは街中に溢れているが、そもそも美少女アニメとかってアニメ界隈でもアングラな部類だと思う。
美少女キャラを愛でているなんて、昔なら確実に気持ち悪い認定されていた。
今でも言葉にされないだけで、心の中では気持ち悪いと思われているだろう。
公共の場の美少女イラストが炎上するのもそれの現れだと思う。
批判の際には一応理屈を付けて、露出が多いだとか胸が大きいだとか言われたりするが、結局は美少女イラストが気持ち悪いというだけだ。
批判の声に対して、全然露出してないだろとか性的に見えている方に問題があるとか反論したりするが、実は問題点はそこにない。
問題はなぜ美少女イラストが気持ち悪いと思われているかだ。
そもそも、美少女イラストそのものは気持ち悪いわけではない。
気持ち悪いのは、その向こう側にいるオタクなのだ。
キレイ事では作品の素晴らしさを語ったりするが、その一方でオタク達が美少女キャラを性的に消費している事実は否めない。
世にエロ同人誌は溢れ返っているし、美少女フィギュアはスカートの中を覗けるようになっている。
10代くらいのキャラクターをエロ目線で消費していたりもする。
オタクがそういう扱いをしているんだから、そりゃ世間の人たちが美少女イラストに如何わしい印象を抱くのは致し方ない。
結局はオタク自身が気持ち悪い印象を作っているのだ。
例え露出を極限まで少なくした美少女イラストであっても、それに不快感を抱く人は少なからずいるだろう。
アングラはアングラのままで
気持ち悪いと散々言ったけど、僕自身は美少女キャラを性的に消費することは別に気持ち悪いとは思っていない。
それもオタク文化の一面だ。
ただ、アングラなものはアングラのままであるのがいいのではと思うのだ。
わざわざ世に認めてもらわずとも、地下で楽しくやってるほうが幸せな気がする。
最近はそういうバランスが崩れてるなと感じる。
本来は表に出すべきではないものが、表層に滲み出てきているような。
公共の場の美少女イラストにしても、企画した人が暴走したオタクなのか、若者の価値観に寛容だと思われたいオジサンなのかはわからないけど、なんか少し勘違いしてるよな。
こういうキャラを起用することが現代的だと思っているのかもしれないが、ただ安易に美少女キャラを消費しているだけで、いまいちそこに意味がなかったりもする。
そんなイラストが街中に溢れるほど、オタクの勘違いにも拍車がかかる。
どんどんオタクが傲慢になるような気がしてならない。
僕は謙虚なオタクが好きだ。
オタクなんて所詮は気持ち悪いものだと自覚し、それでも好きなものに真剣に向き合える人は格好いい。
逆に、オタクは市民権を得たんだとオタク趣味を世間にアピールするような人は好きではない。
そういう人間ほど、美少女イラストが炎上したとき「オタク文化は気持ち悪くないんだー!!」とやたらと噛みつく。
もっと謙虚になるべきだ。
そもそも世間に認めてもらうことがそんなに大事だろうか?
自分の好きなものが、他人にとっても好きなものである必要はないと思うが。
自分が好きならそれだけでいい。
それ以上に何を求めるのか。