不可逆な流れにしがみつかないこと

※2019年2月に書いたものをnoteに移植したものです。

良い年の取り方ってなんなんだろうなと思ったときに、どうあがいたって元に戻らないような「不可逆」な物事に対してしがみつくのをやめることなんじゃないかと考えるようになった。年齢、肉体的な若さから、精神的な純潔さだったり、個人的な事柄もそうなんだけど、世の中の大きなトレンドに対しても同じかな。

どうしても自分の感受性が形成された時代に対してのノスタルジックな感情があるから、その時代の様々な物事に対しての執着心みたいなものはなかなか抜けない。もちろんそういったバックボーンやコンテキストがあって深みを楽しめることもある。ただ感覚としてそれを保持しているだけでは収まらずに、それに執着してしまうと目の前にある新しい楽しみに気がつけなくなる。

そして肉体的/精神的な老いと同時に感受性のピークも過去に持っていってしまうことが一番勿体無いことなんだろう。「今現在の自分が今後の未来の自分の中で一番若い状態」という風に未来を基準点にして今を捉えれば、今現在が一番若いと少しは前向きになれるかもしれない。過去にピークをおいた考え方をすればするほど、「不可逆」の沼を突き進むことになり、いつまで経っても超えられない壁にぶつかり続ける。

全ての変化は不可逆なもので、過去の基準点ではなく、未来の基準点からピークを今現在という風に捉えられたときに目の前のことをポジティブに受け入れられて楽しめるのだろう。それができている人が良い年の取り方をしている人なんじゃないかなと。何かこう自分の中で後ろ向きな感じがしたときには、「不可逆なものに抗って過去に進もう」としているから。不可逆なものを不可逆と捉え、その波に乗るのは未来から考えれば今が一番早いと感じられる方が色んなものを楽しめるんだろう。

いいなと思ったら応援しよう!