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更年期の強張り
氷点下の朝。
自分の体が冷えているのか、
外気のせいなのか。
温度計で確認するまでサッパリわからない。
冷えたり火照ったり。
これも≪自分ではどうにもできないこと≫。
そう思えるようになったのは、一年くらい経ったから。
冬の朝は特に、
関節の強張りが酷い。
蓋を開けてもらったことも、
人に頼んだことも皆無。
頼むことになるとは思いもしなかった。
遠い記憶に残る祖母の姿。
瓶の蓋を開けてみせると喜ばれ、頭を撫でながら抱き寄せてくれた。
祖母の気持ちが今よ~~~くわかる。
更年期に入ってから、
ジャムの蓋のようなものは開けられなくなった。
思うように力が入らず、捻れない。
頻繁に物を落とすようになった。
正月早々、捻るタイプの蓋付きのものは
濡らした布を使ってもビクともしなくなった。
≪ゴム手袋を着けたら開く!≫と喜んだのも束の間。
攻略した喜びに「フォッフォッフォッ」。
毎度毎度ご苦労なことに、いそいそとゴム手を装着。
バルタン星人になって捻っても
なかなか開けられなくなった。
敗北感と軽い絶望感を感じた。
ペットボトルのキャップをギャッと一捻り・・・も今はできない。
売り場で蓋の形状を見て、
〈開けられるだろうか・・・〉と躊躇するようになった。
1年前までは何でもなかったこと。
気にもしなかった。
誰にでも開閉しやすい形状はそんなに多くない。
自販機にはペットボトルと
プルタブ式の缶しか並んでいない。
どちらも開けられなくなってしまった。
持ち歩く煩わしさもあり、自販機かコンビニで間に合っていた。
今では否応なしに健康志向。
マイボトルを持ち歩いている。
マイボトルの蓋は親指一本でパカッと90度に開く。
有難くて、愛おしくて、頬擦りしたくなる。
入れる時には左にギャッと強く捻ってクルクルが待っている。
入れた後は右にクルクル&最後にギュッ。
洗う時、除菌した後。
何度も何度も水色のバルタン星人はアイタタタ。
難儀しています。