千晴🇳🇱

オランダで都市計画修士を究める大学生が、都市にまつわるあれこれをソーシャルデザインと絡…

千晴🇳🇱

オランダで都市計画修士を究める大学生が、都市にまつわるあれこれをソーシャルデザインと絡めて記録していくノートです。 🗣:🇯🇵🇨🇳🇬🇧

最近の記事

都市計画先進国オランダの"お家芸" 古建築再活用事例3選

先日Good News for Citiesのポッドキャストを聴いていたら日本の空き家問題について触れていた場面が。そういえばオランダでのお気に入りスポットの多くは古い建物を用途を変えて活用している場所が多いけど、日本の空き家・空き建築物の活用ヒントにならないかしらと思いあたり、noteにいくつか書き出してみることにしました。 オランダ建築でもサーキュラーがキーワード自転車フレンドリーかつ美しい運河の街並みが印象的なアムステルダム、世界大戦後に多くのモダン建築が同時期に建て

    • 中国北京版|あの国で必須のアプリ

      ※この記事にある情報は2023年10月現在のものです。 中国用にデジタルインフラが整っていないと外出しない方が良い中国にルーツを持つ私は、この8月にようやくコロナぶりに北京へ帰る機会があった。世界でもほぼ最先端をゆくこのスマートシティで目の当たりにしたのは、現地住民の利便性と引き換えにもたらされる、よそ者への圧倒的な不便性だった。滞在期間はたったの10日ほどだったが、そのストレスは現地に親戚を持ち中国語が話せる私でも、中国生活用にデジタルインフラが整ってなければ家に篭った方

      • ホーチミンの若者と脱植民地化の考察

        全てがインスパイア源となるエネルギッシュな街、ホーチミン今回、私がインターンとしてお手伝いさせていただいているfor Citiesの活動の一環*で、ホーチミン市に1週間ほど滞在してきた。日夜絶えず五感に常に訴えてくるこの街によって、私はどんな自己啓発本を読むよりも触発され、西洋中心主義に呑み込まれないよう突き進む(ように見える)ベトナムの若者への尊敬が高まった。 本記事は、鋭意溢れる現地の若者たちの手によるベトナムのアイデンティティの確立と脱植民地化というテーマを、私が滞在

        • 公共空間における人のつながりの段階とデザイン|都市を学ぶ④

          街に出てまちを考える、デザイン思考に基づいた実践的な学び今年の6月に正規の留学期間が終了してから、同じアムステルダム大学のサマースクールに参加し、Placemaking(公共空間の場づくり)について地元のコミュニティと協働しながら3週間みっちり学んでいた。一応北欧とはいえ、30度を超える7月の炎天下の中毎日自転車を漕いで通学し、週に1回以上はフィールドトリップで数時間歩き続けるのは正直堪えたがが、頭と体で街を感じながら濃い学習期間を過ごせたように思う。 このPlacemak

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          コンパクトな街アムステルダムから考える都市とモビリティ|都市を学ぶ③

          都市と人口密度とモビリティ社会学界隈に限らず、人口密度が増えれば公共交通機関の使用率が増え、人口密度が低いほど自動車が多く走るというのは誰もが理解いているだろう。 以下の資料を見ると北アメリカでは通勤における車の使用率が86.4%に対し、アジアの高収入地域ではたったの20.1%と4分の1以下。それに比べ公共交通機関の使用率はアジアの高収入地域が北アメリカの6.6倍、人口密度は10倍以上になっていることがわかる。 確かに東京では毎日のように満員電車に揺られていたし、アムステル

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          ダッチデザインウィーク、2ヶ月越しのレポート

          ヨーロッパ最大のデザインの祭典! ダッチデザインウィーク(DDW)@Eindhoven2ヶ月前に遡りますが、オランダを中心として2600人を超えるデザイナーによる多様なデザインが集う、年に一度のあの祭典に行ってきました。 (例年の来場者は35万人を超えるらしい。わぉ。) 20周年となる今年は「The Greater Number(より優れた数字)」をテーマに、過剰かつチープな生産に一石を投じ、より少ない消費・ゴミ/より多くのサステナブルな商品を推進することが目指されました。

          ダッチデザインウィーク、2ヶ月越しのレポート

          オープンな街アムステルダムのオランダ植民地主義に対する態度|都市を学ぶ②

          オープンマインドな街と人々街中を歩いていると、日本では見慣れないある光景をあちこちで目にすることができます。 それは… レインボーフラッグ!!!🏳️‍🌈 この写真は行政機関が集まっているエリアにある集合住宅で撮りましたが、ビジネス街・センター街関係なく、人通りの多い場所を歩いていると200mごとに1枚は必ず見かける印象です。さすが約20年前(!)に世界で初めて同性婚を合法化した首都としても知られる街なだけありますね。 LGBTQ+当事者が旗の持ち主なことが多いかと思い

          オープンな街アムステルダムのオランダ植民地主義に対する態度|都市を学ぶ②

          アムステルダム大学の雰囲気と「都市と人」|都市を学ぶ①

          Study Hard, Play Hardな学習文化前回のnote「I amsterdam! アムステルダム生活の始まり」で触れた通り、パーティー文化・自由時間をしっかりがっつり楽しむ学生たちの一面を先に見てしまった私にとって、彼らの勤勉な姿には本当に驚かされました。 授業で出されるReading(文献閲読)のために私は朝9時くらいから大学に行くことが多いのですが、この時点で自習エリアには先客がちらほら。10時半ごろに私が教室へ移動する頃には、個人・グループにかかわらず自習

          アムステルダム大学の雰囲気と「都市と人」|都市を学ぶ①

          I amsterdam! アムステルダム生活の始まり

          アムステルダムに到着して1週間が経ちました。これからnoteを使ってアムステルダム留学生活のあれこれや街の観察記録を残していくつもりですが、今回はアムステルダムの第一印象をつらつらと書いています。 初めまして!  この夏よりアムステルダム大学Social and Behavioral Sciencesにて1年間の交換留学をする千晴(ちはる)です。日本では早稲田大学文化構想学部の4年生になります。 さて、現地時間で8/20(金)の午後にアムステルダムに到着し、オリエンテー

          I amsterdam! アムステルダム生活の始まり