「#マンガ感想文」ネタバレなし アニメ・マンガ 「ぼくらの」 の魅力を伝えるぞ
「ぼくらの」さー褒めまくるぞー!
人間賛歌。
ロボット出てくるけど、ロボットアニメではない。
人間の日常のドラマである。日常にロボットがでてくるのである。
マジンガーZのように正統派でもない。
エヴァンゲリオンのように神話性もない。
ガンダムのようにメカニカル性もない。
ただただ冷徹で超巨大な鉄の塊。
冷たい無常な鉄の塊のようなロボット。
「無常」はこの物語のキーワードだろう。
日々の何気ない生活の有難みに気づかせてもらえる物語であり、
人間の醜さを憎み切れない自分がいることを気づかせてもらえる物語であり、
親になって初めて分かる愛情に気づかせてもらえる物語であり、
改めて人生についても考えさせられる物語でもある。
普通に結構泣けるから、弱っている時に観るととめどなく目から汁が溢れてくるだろう。
もしくは、泣きたい時に観るのがいいだろう。
自分は漫画から入ったクチで、次いでアニメを視聴した。
予備知識はなくなんとなく手に取った程度だったが、グイグイと読み進めてしまった。
キャラクターの絵やビジュアルは地味だが、無常な世界観と相まって、よい味になっている。狙ってやっていると思われる。
ただ、ロボットがでてくるということはちゃんと戦闘シーンもある。
その描写が秀逸だ。
超巨大ロボが一歩 歩みを進めるだけで日常の風景が文字通り大きく揺さぶられる。
一発食らって倒されるだけで、これでもか!と言わんばかりに日常が無常に破壊されていく。
その描写がしっかりとしたクオリティで描かれているからこそ、日常の幸せが際立つのだ。
力を入れるべきポイントをしっかりと理解して制作がなされている。
漫画を読んだ当時はまだ自分に子供は生まれていなかったが、アニメは子供が生まれてから視聴した。
マンガもよいがアニメの方がより感情移入できる印象を持った。
アニメは兎にも角にも、まずは主題歌の「アンイストール」だ。
石川智明さんが歌うこの歌は時代を超えて人気アニソン上位を維持し続けるほどの威力がある。
タイトルは知らなくても聞いたことがある人が多いだろう。
ずっと聞いていられる心地よい透き通ったボイス。
荘厳ながらどこか物悲しい雰囲気のあるメロディーに気を緩めると涙腺が緩むほどである。
ちなみに私はたまに一時間耐久「アンイストール」動画をyoutubeで聞きながら作業している。耐久?いや昇天である。鳥肌立ちまくりの昇天しっぱなしである。
物語が明らかになっていくとその歌詞の内容も、より染み込んできて、とてつもない感動を覚えてしまうだろう。
冗談抜きでずっと聞いてられるリフレイン待ったなしの神曲だ。
物語は1話、2話目は少し退屈かもしれない。
パット見はエヴァンゲリオンのパクリか?と思うかもしれない。
ただ、エヴァンゲリオンとは異なる魅力がこの作品にはある。
エヴァンゲリオンがメカや巨大な陰謀などマクロに話が進むのに対して、
「ぼくらの」は人物に焦点を当てたミクロを中心に話が進んでいく。
好みの問題はあるだろうが、自分はどちらも楽しめるタイプだったみたいでなによりだった。
そして、中盤辺りで明かされる最大の謎。
それを知った時、日常に住む我々はなにを選択し、なにを成すか。
涙を流しながら人生を振り返りたい、未来を想像し創造したい。
そんな気持ちの時に鑑賞すると、より心に残り続けてくれる作品であろう。
兎にも角にも「ぼくらの」
激賞に値する作品である。