恥の多いなんとやら

私の生涯は恥の多いものに違いはないがそんな大層なものではない。

一言で言うならば嘘ばかりの人生だった。

素直に生きていたのは始めの3.4年といったところだろうか。

ふと初めて嘘をついた日の事を思い出す。

幼稚園の年中組

給食のうずら卵がどうしても食べられなかった。もちろん今も食べられない。母がアレルギーという事にして連絡ノートに書いてくれた。だが当時の先生は相当怖い人で、必ず一個は食べなさい、という方針の人間だった。食べられませんの一言がどうしても言えず、泣きそうになりながら口の中にいれた。結局飲み込めず、帰るときに遊具の砂場に吐いて埋めた。

食べられましたの嘘がバレる事、遊具に吐いて捨てた事が怒られるのではないか、とその夜は眠れなかったのを覚えている。

私の嘘の始まりはこんなもんである。

2へ続く


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