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完璧じゃない自分との向き合い方


社会人も6年目。同じ仕事をずっと続けていると、自然と経験値も積み上がり、基本的な失敗は少なくなってきたように思う。しかも、今の職場は人間関係もよく、少しのミスならお互いにカバーしようという温かい雰囲気があるので、怒られることもほとんどない。
ここ最近は順調に、心穏やかに仕事をしていた。

だけど、最近、本当に基本的なミスをした。
準備していたのにも関わらず実施されていなくて、翌日できていなかったことに他のスタッフから指摘されて気づいた。
私はてっきりできていると思っていただけに、最初は少し信じられなかった。完全に確認漏れだ。

幸い、大きな事故等にも至らなかったものの、上司に報告したときには「珍しいね」と言われた。
そりゃそうだ。私は普段、慎重派で「石橋を叩いて渡る」タイプだ。今回のようなミスはほとんどないし、だからこそ自分でも驚いた。

ちょうど忙しい時間帯で準備したものがなくなっていたから、誰かが代わりにやってくれたものだと”思い込んでいた”。私が確認するまでに何度も違う人が入っていたし、担当じゃなくても「やっておきました」と声をかけてくれることも多いので、私もつい油断して準備物品が目につかないということは終わっているものだと思った。

完全に”多忙”と”油断”という私の落ち度だった。


他のスタッフに「忘れてたよ」と指摘されたとき、ふと二つの思いが頭をよぎった。

一つは「なんで確認しなかったんだろう…」という私の判断の甘さ。
一つは「置いてあったのになんでちゃんと確認してないの」という他人に責任を押し付けたくなる気持ち。

後者を思い浮かべたとき、思わず頭を振り払った。
担当している以上、責任の所在は私であり完全に自分に落ち度があるのに、他人に責任を押し付けたくなるなんて…
心の奥底に潜む、そんな自分を見て少し嫌になった。
一瞬でも失敗が認めたくなかった自分が情けなかった。


私は昔から失敗を恐れているタイプで、性格的にも完璧主義に近い。
「なんでこんなこともできないの」と言われる経験が多い幼少期を過ごしていたからか、失敗=悪いものと捉えている期間のほうがずっとずっと長い。
大胆には行動できないし、失敗を恐れているからこそ、派手にミスすることも少ない。自分に対するダメージは極力少なくしたかったし、自分の間違いを認めることに慣れていないかもしれない。

大人になってからは、さすがにそうも言ってられない。新人の頃に不可抗力でしかないことも「確認しなかったからだ」と上司に叱責されても、私が悪いんだと納得しようとした。

それはそれで、また不健康なんだろうけれど。

・・・

この間、研修でヒューマンエラーについて学んだ。
ヒューマンエラーとは、人間が関わる間違い、今回のような「確認忘れ」や「上司に間違っていると言えない」「手順を飛ばした」などで起こる間違いだ。
人間なら誰でも忘れるし、油断するし、手を抜きたくなる。それを「人間の特性」だと捉えることで、自分を責めすぎず、失敗したときにどう振る舞うか、予防するためにどう行動するかなど次の行動に切り替えられるような気がした。


今回私自身がミスをしたときに「他人に責任を押し付けたくなる気持ち」がふと顔を覗かせた。失敗したときの振る舞いは、その人の器が試される瞬間だなと思った。
そういえば、上司から、先輩が行ったことでも一度は新人のせいにされたりしたこともあったっけ。こういうときに本音が出るのかもしれない。

自分に都合が悪くなるとき、無意識に誰かに責任を押し付けようとするのは、人間の弱さのひとつなのかもしれない。
だからこそ、普段見えない弱さと向き合い、少しでも自分の成長に変えたいと思った。



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陽|haru
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