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Rp:27 桜井一の夢 その1
僕がホーム薬局で正式に勤務し始めて3ヶ月間の実績をスタッフに報告、今後の目標について話したあと、
中川さんと田原さんの会話が聞こえてきた。
内容としては、なぜ僕がこの薬局に来るようになったのか、なぜ急に色々な加算を取ったり売上のことをなどを気にしないといけなくなったのか、などだ。
僕としてはちゃんと説明してきたつもりだったが事務員さんの理解がしっかり得られていなかったのかも知れない。
さて、どうしたものか。とりあえず食事にでも誘って色々話してみようか。
「わざわざ時間を作ってもらってありがとう。僕がホーム薬局に来てから二人にはとても頑張ってもらっているし、一度ちゃんと話をしたかったんだ。
なんでも好きなものを食べてね。」
「いえいえ、あんまり桜井さんと話したこともなかったしいい機会かなと思いました。ご飯は遠慮なく食べますね。」
中川さんも田原さんも最初は緊張した様子だったが、お酒が入ると少し緊張もほどけたようだった。
「今日はいつも頑張ってもらっている二人のことが少しでも知ることが出来て良かったよ。
それと、今回の食事会は実は僕のことも少し話しておきたいってところもあったんだ。」
「桜井さんのことですか?」
「そうだね。鈴木さんは薬剤師だから保険調剤のことや薬剤師の理念などもわかっているから何も言わないけど、
中川さんや田原さんは急に僕なんかが急に来て数字のことを色々口を出してきて嫌な思いをしているんじゃないかなと思ってね。」
「ん〜、嫌な想いというよりは「なぜ急に売上を気にするのか」っていうところは大きいですね。」
「私も、上の人が数字を気にしろっていうならそれに従いますけど、小林さんは全然数字のことは言わなかったので、なぜ?とは思いますね。」
僕は自分がホーム薬局を引き継ぐことになるかも知れないこと、保険薬局・保険調剤の仕組みなどについて話した。
続く