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Rp:14~16 マイナ保険証と調剤報酬

次に僕が取り掛かったのは連携強化加算と医療DX推進体制整備加算の算定に向けてだ。
この2つの要件を満たすのは後発率の向上に比べると比較的簡単なものだ。

連携強化加算
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/r6-t87-3-4.pdf
(1)
感染症法第六条第十七項に規定する第二種協定指定医療機関である
(2)
災害の発生時等において、他の保険薬局等との連携により非常時における対応につき必要な体制整備されている、
(3)
オンライン服薬指導を行う体制が整備されている。

このチェックシートに沿った薬局になることが必須になるのだが、簡単に要件をまとめるとこのような形になる。
「地震や津波、新型コロナとかが流行っているときでも頑張って仕事してくれるなら普段からボーナスあげるよ」
こう厚労省は言っているのだ。

「(2)は地震が起きたときそれぞれのスタッフがどういう行動をするかとかをまとめたら良いんだよね。
(1)って、この指定を受けるのってどうすればいいの?」

第二種協定指定医療機関は都道府県と「医療措置協定」を結んだ医療機関等のことだ。
薬局における医療措置協定とは、昨今の新型コロナウイルス感染症を始めとした新興感染症蔓延時に迅速に対応出来るよう、
「平時から個人防護具を備蓄し、非常時も対応しますよ」と手を上げた薬局のことだ。

「これは昨年、県から案内が来ていたやつですね。覚えていませんか?」
「あー、、あったっけ。マスクとかガウンを備蓄して〜とかの?」
「そうですね。ここ最近で言えば、新型コロナとかの対応が出来るように色々やってよってやつです。」
「メールを遡ってみたらあったよ。これ、僕やっていないや。。どうしよう。。」

連携強化加算の算定は比較的簡単なものだ、と先ほど言ったのは撤回だ。道のりは長くなりそうだ。

医療措置協定の締結をしていなかったのには驚いたが、気付いたのが早くて済みそうだ。
それは県が医療措置協定を締結していない薬局向けに「もう一度申請する猶予をあげるから、もう一度考えてみてください」という通知を出していたからだ。
土堂薬品の薬局の中でも締結していない店舗が少なからずあり、社内でも締結していない薬局は申請をするよう通達があったのを思い出した。
この協定の締結は連携強化加算の算定には必須で、要件を満たし協定の締結が出来れば定期的に算定することが可能。
いえば、とても美味しい加算なわけだ。
もちろん非常事態時には薬局を開けて患者さんの受付をしないといけないが、記憶にも新しいコロナ禍で

「新型コロナにかかった患者を受け付けない、受け付けたくないから開局しない」

という薬局はなかったはずだ。
だとすればしっかり申請して加算を算定するのがベストな選択なんだと僕は思う。

「とりあえず医療措置協定は7月31日までに行えばどうにかなりそうです。ギリギリでしたね。」
「いや〜助かった!書類に関してはOKでしょう。あとは医療DXだっけ?」

医療DX推進体制整備加算はマイナンバー保険証を利用して医療情報を取得することで算定出来る加算だ。
9月までは医療情報の取得実績が「一定以上」あれば算定可能だったが、この10月からは違う。
現在ホーム薬局では端末がかろうじてあったのが救いだった(ここだけは周りから勧められて導入したらしい)が、マイナンバーの案内に関しては全くしていなかった。

「う〜ん、マイナ保険証か。正直これよくわかっていないんだよね。マイナ保険証持ってる?」
「マイナ保険証、、マイナンバーカード持っているんで、まあ持っていますね。」
「ん?マイナ保険証ってマイナンバーカードとは違うんだよね?」

「マイナ保険証って、今までの保険証と同じでカードが発行されると思っています?」
「え、違うの?」

小林さんのようにマイナ保険証が新たに発行されるものと思っている人は、実はいる。
ご存知の通り、マイナンバーカードと保険証の情報を紐づけることでマイナンバーカードが保険証の代わりになる制度のことだ。

「マイナンバーカードがあればそれが保険証になるんだ。。患者さんに聞く前に知れてよかったよ。。」
「本当、危ないところですよ。マイナ保険証ありますか?って聞いてマイナンバーカード出した人に『違いますよ!』なんて言った日には怒られちゃいますよ。」
「確かに。。他の子達は知っているのかな?確認しておこう!」
「多分知っていると思いますよ。。」

マイナンバーカードを持ち歩いている人はまだまだ少ない。特に田舎の高齢者は持ち歩いていない。
国の施策が全て正しいとは思わないが、そこに従っていかないと不利益を被る可能性が高い。

「マイナンバーカードはなんとなく危ない気がするから申請しないでおこう」

こう考かんがえて申請を思いとどまっていた人も多いと思うが、今持っている保険証が使えるのは2025年12月1日までだ。
これに合わせて今年に入ってマイナンバーカードを発行しても以前あったキャンペーン(発行すると20,000ポイント!などがあったはず)は受けられない。
新しい情報を常に収集していくことは薬局経営においてもとても重要だと実感させられた。
小林さん、僕は絶対にこの薬局を儲かる薬局にしてみせるぞ!

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