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本よみ日記 読了の件、彼女にだけ


10月に入り、幼稚園が一日保育になった。息子より私がずっと待ち望んでいて前日からニヤニヤが止まらず、だいぶお疲れだったと俯瞰する。


秋に読みたい本として柿内正午『プルーストを読む生活』と岸政彦『断片的なものの社会学』を図書館で借りていたが、読み終わる前に返却日がきてしまった。それぞれ予約が入っていて、ですよねーと口角が上がる。『プルーストを読む生活』は四分の一くらいは読めただろうか。返す日が迫っていたが、急いで読んだり惰性で読むのは嫌だったのでそこだけは気をつけた。わりと最近まで読了が良し、読了こそが読んだということだ、みたいに思いこんでいたが、阿久津隆『読書の日記』で読了にこだわらなくていいという考え方を教えてもらい、「今この本を読みたいかどうか」を自分に聞くようにしたら借りて読むこと、買って読むことの道が歩きやすくなったような気がする。


モリーのことが、彼女にだけ向けられた手話が、ずっと響いているようだった。
『プルーストを読む生活』

うっとり。


予約していたアンドプレミアムの「あの人の読書案内。」をめくっていると見覚えのあるページだらけだったので(これが噂の更年期というものか...)としみじみしたが、前に借りていた号を中心に再編集された合本ということだった。


読了にこだわらなくて良いに惹かれた理由として、もうそれなりの年齢なので時間に限りがあり、あと何冊読めるだろう、が大きい。読んでいくことでたどり着ける本、出会える本、見れる景色があると信じていて、ドリーミーさを自覚しつつ、そのための時間や余力をちまちま作る日々である。



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