見出し画像

オーストラリア2400km自転車旅44日目とそれ以降

※本日で、ゴンゾーと俺の旅は最後になります。
今日まで読んで下さった方、ありがとうございました。
最後のこの一話は有償にさせて下さい。
530(ゴンゾー)円です。
児童虐待防止運動に当てさせて下さい。



44日目 「シュンと会う」


この日、すぐにシュンの携帯に電話をいれた。

シュンはもうパースにいて、ずっと俺の到着を待っていた。。。

・・・皮肉なことにシュンはレインボーロッジから500m程しか離れていないBPにステイしていた。


ゴンゾーにまたがり5分も経たないうちに、シュンと再会した。


「ハハハハハハハっ」とシュンは笑っている。


「へへへへへへへっ」と俺。


「なんだよなんだよ、昨日着いてたの!?」


「そう昨日!すぐそこのBP・・・こんな近くにいたとは!」


「とうとうやったんだね・・・すごいよヒロ!」


シュンと会えたことが、嬉しかった。

この時、このシュンの言葉が、何かを成し終えたんだという実感を与えてくれた。



「この旅をしていて、スゴイよなんて言ってくれる人はいなかったぞ。

クレイジーだとかマッドだどか、暑さで頭がやられたか?とか」


「フフ、ヒロ今更なんだけど、自転車屋に聞いたら、ほんとにこの時期は自転車誰もやらないらしいよ、普通じゃないって。

それと、もしやるならパースから北上すべきだって。追い風だから。

つまりヒロは、『時期』も『向き』も間違ったらしい」


シュンは笑いを堪えてしゃべっている。


「つまり俺は『時期』も『向き』も間違ったわけだな」


同じことを繰り返した。シュンはもう堪えきれなくなって笑った。


「ブハッ!ハハハッハハハハッハハハハ!!」
「グフッ!ハハハッハハハハッハハハハ!!」


2人で腹の底から笑った。


その後シュンは急にBPの奥に入り、そそくさと戻ってきた。


「ハイこれ!とりあえず」

ビールを持ってきた。


昨日までとは違う色の太陽が、空の一番高いところから俺たちを見ている。


「シュンはこれからどうすんだ?」


彼はしばらく考えているフリをした。


「実はもう一度あそこへ行こうと思って・・・」


・・・シュン・・・マッドなのは君のほうだ、、、と思った。

多分シュンも、、、シュンを選んだ『何かの声』に呼ばれているんだ。


「ヒロはどうするの?」

深呼吸した。


「・・・歩こうかな。」


「えっ?なに?」


「・・・歩いて旅をしようかな。」


「・・・・・・」


シュンも特にコメントはないようだった。



この日の晩、河のほとりのべンチで一緒にビールを飲んだ。

この時のビールの味を俺は覚えていない。

きっと次の旅を想い、緊張していたせいだと思う。

シュンはと言うと、だらしのない顔をしていた。

何に対してかはわからないが『意に関せず』と言った表情で、

ただ、例によって夜空に何かを探していた。

ここから先は

4,669字 / 1画像

¥ 530

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?