裁量権が欲しいという話
よく耳にする「早く裁量権が欲しい」という話についてです。
特に若手の優秀な方々から,よくこのようなことを言われますし,自分も20代の頃は「自分の方が上手くできるから全部決めさせて欲しい」と思っていました。
しかし,冷静に考えてみると「誰が最後にハンコを押すか」はどうでもよくて,自分が提案したことがその通りに意思決定されたら,それは自分が意思決定したのと同じではないか?という考え方に変わってから,あまり気にしなくなりました。
何か起案しても,決裁者に認めてもらえない場合は
の2つにまとめられると思います。(若干極論ですが)
そして,本当は①なのに②だと思い込んで「わかってもらえない」と勘違いするパターンが非常に不幸です。実は裁量権が欲しいと言っている人の多くがこのケースにあたるのではないかと思います。(自分もそう思っていました。。)
もちろん,なぜダメなのかを背景を正しく伝える(②ではなくて①だと説明する)努力を怠る決裁者は良くありませんが
・視座の高さ
・視点の違い
・視野の広さ
・経験の有無
などから,全てを実感値を伴って納得感ある形で伝えきれることはなかなか難しいというのが実情ではないかと思います。
自己認識を間違って他責思考になると,負のスパイラルに入ってしまいます。稀に②のケースもあるのがややこしいのですが,本当に②だと思うのであれば,その時は自身で正しさを証明する事に徹した方が早いのではないかと思います。
では,どうすれば良いか
ここからが本題です。
上記①に陥らないように,どうすれば良いかは非常にシンプルで「そのテーマについて日本一解像度が高い人になること」を心がけると良いかと思います。
その領域に対して,誰よりも熱量を持って、時間をかけて調べ尽くして解像度を上げた人が提案すれば,その提案は大体通ります。
もちろんその瞬間の社内事情も鑑みて「今これをやるべき。なぜなら〜」をきちんと伝えて,あとは”偉い人”にハンコを押してもらうだけです。
現場で,その領域に対して調べ尽くしている人と,決裁者(ここでは部長や経営陣を想定します)のどちらが解像度高く意思決定をできるかというと、それは前者だと思います。
したがって,その提案の場でつっこまれて「ああ、確かに…」となったら負けで、経営陣に「知らなかった。なるほどね」と思わせたら勝ちです。(勝ち負けでもないのですが,そういうマインドは大切だと思います)
提案の場では色んな視点から,鋭い指摘や質問が飛んできますが,心の中で「その観点についてはもう10回は考えた」というぐらいのレベルで回答できる解像度があると良いかと思います。
つまり,その領域に対して「日本一解像度が高い人が社内にいる」のであれば,誰だって任せてみたくなるでしょう。そこまでの熱量を持って提案すれば大体の事は通るはずです。
繰り返しますが,誰がハンコを押すかは重要ではなくて,実質的に意思決定をしているのはその起案者なので,年齢や入社年度や役職などは何も関係ありません。
つまり,裁量権(と同等のもの)はその辺に転がっているので,取り放題なんじゃないかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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