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掌篇集

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詩、掌篇。または吉田悠軌さん作『一行怪談』のオマージュ。 気が向いたら続きを書く。
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2015年3月の記事一覧

体は火照っているのに、指先と思考はいっそすがすがしいほどに冷めていた。苦しみの先に希望があるなどというのは、おとぎ話のなかの幻想だ。
『細雪』

「星って燃えているんですってね。こうして、ゆっくりと」
「それってとっても素敵なことだと思うの。わたしにはまだ、彼がほうほうと燃えている気がするのよ。ずっと目に焼き付いてね、離れないの」
『三千光年の悪夢』