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会社設立を決めた後、最初にマンションを買いました。

28歳で起業して会社設立を決心した時、マンションを買いました。
なぜかというと、


売上が低くて家賃を払い続けられるか心配だったから

都内駅から徒歩8分の30㎡の1DKマンションに月4万円で住みたかったからです。
同様のスペックのマンションを賃貸で借りると7.5万円しました。
住宅ローン35年で購入すると、月々の返済2万弱。管理修繕費は1.6万円。火災保険と固定資産税は各々年に1回約2万円、合計4万円弱。
購入と賃貸では毎月約3.5万円負担が違います。
毎月7.5万円は負担になるかもしれませんが、3.6万円であれば何とかできる考えたからです。


不動産価格が上がり始めたタイミングだったから

マンションを購入した2012年当時は今よりマンション価格は2~3割程度安い価格帯でした。
2008年のリーマンショックから持ち直したタイミングで、そろそろ価格が上がっていくのはでは?と言われていて、そのとおりになりました。

画像1※参考グラフ:ニッセイ基礎研究所


会社設立後ローンが組めなくなるはずだから

会社設立後になると住宅ローンを組みにくくなります。
という話は良く聞きますが、本当にそうなのか?

本当にそうでしたw

28歳で上場企業に勤めていた時は、審査に出した3つの銀行全てで審査が通りました。こちらが選べる立場。
会社設立後、売上が安定後、収入がアップ後に、32歳で現在住んでいるマンションを購入した時は、会社のメインバンクの銀行でしか審査が通りませんでした。。
しかも融資最大枠は3000万円まででした。

おそらく設立直後であれば、メインバンクも貸してくれなかったと思われます。


会社登記の本店所在地に使えるから

会社設立時には"住所"が必要です。
住居の賃貸契約では普通は会社の登記住所には使えません。
会社事務所は借りたくないですし、当時バーチャルオフィスを借りた上で登記に住所を使用するオプションを付けると月1万円は掛かりました。
(今はもっと安くなっています)

自宅を登記に使えれば1万円節約になります。


一部を事務所や社宅として会社に貸せる

自宅の一部を事務所として、さらに社宅として会社に貸し出せます。
つまり不動産収入として個人に会社からお金を支払えます。
その結果、社会保険料の節約になります。
※参考:相続メモ 給与収入と不動産収入はどっちが効率的?手取りで比較してみよう

しかし注意事項があります。
・会社に貸し出す時の賃料は自由に決められません。
 周辺地域の相場など合理性がないと、税務調査などで刺されますよ。
・自宅のうち「どれくらい」を事務所や「社宅」にできるかも合理性が必要になります。
 例えば、自宅なのに全てを会社に貸していたら、「あなたどこに住んでいるの?」という話になりますよね?
・社宅にする際、個人の家を会社に貸して、さらに会社から個人に貸すという良く分からない状況となります。
・不動産収入があると"必ず"確定申告が必要になります。
 手続きに掛かるコストが節税効果に見合っているか検討が必要です。
・会社に貸して収益を得ているので「事業目的」での不動産購入となります。
 自己の住居の売却であれば不動産売却益の税金は安いのですが、事業目的となるため、5年以内の短期譲渡(売却)を行うと、税金が"かなり"高くなります。
・つまり、専門家(税理士)に必ず相談することをオススメします。
 ※ちゃんとお金を支払って相談した方が良いですよ。

ちなみ私は、全て顧問税理士に相談しながら進めています。
そして売却する際に「5年以内の短期譲渡で税金が高くなる」なんて想像もしていなかったため、売却前に相談せず、4年6ヶ月で売却してしまいました。。
不動産屋から自己の住居の売却なので税金は大丈夫と聞いていて安心していましたが、不動産屋は私が会社に貸していることを知っていなかったのです。
結果、かなり高い税率となってしましました。。

そこからの教訓は「金回りは全て顧問税理士に事前相談する」です。


良い物件が見つかったから

私の中の良い物件とは、
・大都市内、駅から徒歩10分以内。都内でないなら徒歩5分。
・複数路線駅に徒歩でアクセス可能。
・住人(買い主、借り主)がイメージできる物件。
・私がしばらく住み続けても良い物件。

です。


賃貸の一番のメリットは転居しやすいことです。
逆に購入は転居しづらくなるのがデメリットです。
人に貸すか、売却できない状態で転居すると住居費が2倍掛かります。

そのため住み続けられれば、そのデメリットを消すことができます。

転居する理由で思いつくのは、同棲や結婚でしたが、事業が軌道に乗らなければ同棲や結婚などできませんので、自分が転居しなければ良いだけです。


マンションを買う時に計算すること

何年住めば、「元が取れるか?」を計算します。
「元」とは賃貸で住んだ時の費用のことです。

都内駅から徒歩10分圏内で、複数の主要駅まで30分以内で移動可能な物件で、かつ周囲のマンション情報(家賃、空室率、人口動態、値動きなど)や、新規建設状況などから、時間が掛かっても売却が期待できる物件であれば、最悪でも半値で不動産買取業者が買ってくれます。

私が買った物件は780万円売出しを30万円値切って750万円でした。
消費税60万円。仲介手数料51万円。各種手続きで約15万円。合計876万円。
ローンが700万円で、頭金を176万円支払いました。
ローンの支払いは毎月2万円です。ローンは支払い当初の方が利子の支払い額が多く、支払の2万円中元本分は1.5万円ほどになります。

売り値の想定として、仮に100万円(13%)値下がったとして、600万円。仲介手数料42万円で、手残り558万円。

つまり 876万円-558万円=318万円 のマイナスです。

例えば5年住んで売却したとすると、
ザックリ毎月1.5万円の元本返済とすると、1.5万円×12ヶ月×5年間=90万円。
ローン残高が610万円まで下がっているとして、売却で558万円手元に残っているので、ローンが52万円残ることとなります。

でも、毎月3.5万円賃貸より支払いが少ないわけですので、
3.5万円×12ヶ月×5年間=210万円 得しているわけです。

頭金で170万円支払っていて、敷金礼金合わせて2ヶ月分と相殺すると、170万円-15万円=155万円を初期費用として多く支払っています。

そこで 210万円-155万円-52万円=3万円 となり、5年で元が取れる計算になります。

更に、登記費用の月1万円分はお得になっています。


実際に私はどうなったのか?

実際には、980万円で売却できましたし、登記費用の毎月1万円分さらに節約になっていますし、社会保険料の抑制にも繋がっています。

980万円の仲介手数料は64.8万円。手元に915.2万円。
ローン残高は、1.5万円×12ヶ月×4.5年間=81万円減って619万円。

不動産売却益は、915.2万円-619万円=296.2万円 になりました。

更に、 (3.5+1)万円×12ヶ月×4.5年間=216万円 賃貸と比べて費用が抑えられたので、4.5年間で合計357.2万円分はお得だったわけです。

しかし、前述の通り、短期譲渡となり税率が高かったわけですが。。

このように賃貸と購入の損益分岐点を計算でき、「この物件であれば○年自分が住めばペイできる。○年だったら住めるから買っても良いかも or 住めないから買わない方が良い」ということを事前に考えることができます。


まとめ

巷には、不動産は賃貸か購入か?という情報がいくつもありますが、結論は条件次第ということになっています。

その条件のなかには、
・値下がりしづらい物件(買い手や借り手が着く)を見極められる。
・(ペイする期間は)自分が住み続けられる。
・住む以外の価値を付けられる。(会社に貸せるなど)

というものがあると思います。

会社を設立する時、なるべくランニングコストを抑えたいのであれば、不動産購入を検討されるもの一つの手段です。


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