
苛烈なデジタルエンターテインメントによる余剰時間の奪い合いについて
1. はじめに
日常の生活で、私たちは無意識のうちに膨大な“余剰時間”をデジタルエンターテインメントに捧げています。スマートフォン、テレビ、動画配信サービスなど、あらゆる選択肢が余暇を埋め尽くし、気がつけば1日の大半を費やしているなんてことも。特にスマートフォンの普及によって、これらのコンテンツへのアクセスが以前にも増して簡単になりました。本記事では、日本人の余剰時間の使い方をデータで深掘りし、激しい時間の奪い合いの果てに何が起きているのかを考察していきます。
2. デジタルエンターテインメントの現状
デジタルエンターテインメントは、今や生活の中核を担う存在と言っても過言ではありません。スマートフォンや動画配信サービスを中心に、これらのコンテンツがどれだけ生活に溶け込んでいるかを示すデータも増えています。背景には、技術の進化、インターネットの普及、さらにはコロナ禍を経たライフスタイルの変化があります。この便利さの裏には、企業間の熾烈な競争やユーザーの時間を奪い合うための壮絶な戦略も潜んでいます。
3. スマートフォンの動画視聴時間
NTTドコモ モバイル社会研究所の2024年の調査によれば、全体の4割以上が1日2時間以上スマートフォンで動画を視聴しています。特に10代では、なんと約3割が1日6時間以上も視聴しているそうです。これ、想像できますか? 学校や仕事以外の時間をほとんどスマホ動画で過ごしている計算です。YouTubeやTikTokといったプラットフォームの魅力が、若年層の時間をがっつり掴んで離さないことがわかります。
4. スマートフォンアプリの利用時間
フラー株式会社の2022年の報告によると、日本人のスマートフォンアプリの1日平均利用時間は4.8時間に達し、過去最高を記録しました。特にSNSやゲームアプリの人気が凄まじく、これがもはや日常生活の一部となっています。SNSで友人と繋がったり、移動中にゲームをしたりと、スマホが手放せない生活ですよね。ですが、この長時間の利用は便利さだけでなく、目や体への負担も考える必要があります。
5. テレビ視聴時間
総務省の「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、テレビのリアルタイム視聴時間は依然として根強い人気を保っています。つまり、テレビもインターネットも両方楽しむスタイルが多くの人々に浸透しているのです。ただし、テレビが地上波からAbemaなどのスマートテレビに置き換わってきているのも事実です。
近年、日本の若者の間でテレビを持たない人の割合が増加しています。特に一人暮らしの若者にその傾向が顕著です。LINEリサーチが2023年に実施した調査によれば、単身世帯の10代ではテレビの保有率が約5割台後半、20代では約7割弱となっています。一方、パソコンの保有率は両年代ともに約7割台と高く、テレビの保有率を上回っています。
6. 動画配信サービスの視聴時間
MMD研究所の2021年の調査では、動画配信サービスの1日の平均視聴時間が「30分未満」という人が最も多く、13.3%を占めました。一方で、多くの人が月額料金を支払って利用し続けていることがわかります。NetflixやAmazon Prime Videoなど、魅力的なコンテンツが常に更新されているからでしょうね。「もう一話だけ...」と深夜まで見続ける経験、誰しもあるのではないでしょうか。
7. 余剰時間の奪い合いがもたらす影響
デジタルエンターテインメント企業は、ユーザーの余剰時間を奪うためにしのぎを削っています。その結果、どんな問題が起きているのでしょうか?
1. ユーザーの疲弊
長時間のコンテンツ消費で、身体や心が疲れるのは当然です。目が疲れる、睡眠不足、注意力散漫など、日常生活にも影響を及ぼします。休む時間が削られていくと、知らず知らずのうちに生活リズムが崩れてしまいます。
2. ゲームスタジオなどの閉鎖
余剰時間の奪い合いが激化する中で、特にゲーム業界では厳しい現実が。スマホゲームや動画配信の台頭で、従来の家庭用ゲームに割かれる時間が減少。結果として、大手スタジオでも採算が取れず閉鎖に追い込まれるケースが増えています。大作ゲームの開発費は膨大ですが、それに見合う時間をユーザーが割いてくれる保証がないのです。
このブログではこのゲームスタジオの世界的なリストラについてまた別の記事で書いていきたいと思います。
3. 人間関係や文化への影響
デジタルエンターテインメントに時間を取られすぎると、家族や友人とのリアルなコミュニケーションが減少します。さらに、グローバル化するコンテンツ市場の中で、地域特有の文化が埋もれてしまう懸念もあります。
お読みいただきましてありがとうございました!
みなさんがいろいろなデジタルエンターテインメントに囲まれている中でこのブログ記事を読んでいただいたのも奇跡みたいなものかもしれません!
時間をとって読んでよかったと思えるような記事を引き続き描いていきたいと思いますのでフォロー・いいねよろしくお願いします!