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【ポイント理解】キースライドで見るSaaS企業決算
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本記事では、2021年1月末から2月中旬に行われた、2021/3期の3Q決算、2020/12期の本決算などを対象に、主要SaaS企業の決算状況をまとめています。
SaaS企業においては、ARRやARR成長率が重要とされる中で、最新決算のモメンタムを確認するとともに、決算発表資料の中で肝となるスライドのキーとなるページを取り上げ、解説をしていきます。
上場SaaS各社の直近のトレンドを抑えたい方に役に立つコンテンツとしてまとめています。
【 対象企業 】
フリー - 全社
ラクス - クラウド売上高
ユーザベース - SPEEDA+FORCAS/その他B2B
サイボウズ - クラウド関連事業
インフォマート - 全社
Chatwork-Chatwork事業
カオナビ-全社
HENNGE-HENNGE ONE事業
弁護士ドットコム-クラウドサイン
リンクアンドモチベーション -モチベーションクラウド
AI Inside-リカーリング
プレイド-リカーリング
ヤプリ - 全社
エス・エム・エス-介護事業者分野(カイポケ)
スターティアホールディングス-デジタルマーケティング事業
決算全体に関してコメント
【 表中の項目に関する説明 】
■ ARR
直近決算を反映した数値。可能な限り各社のSaaS・クラウド収益ベースにて集計。
■ PSR-当期予想
2020/2/17時点の当期予想、株価ベース
■ モメンタムの基準感
◎ ⇒ YonY,QonQ で成長加速
〇 ⇒ YonY,QonQ で成長維持
△ ⇒ YonY,QonQのいずれかで成長鈍化、トレンドの停滞
× ⇒ YonY,QonQのいずれかでマイナス成長
■ 翌日株価
決算日の終値 ⇒ 翌営業日の株価変化率
なお、以下で表題をクリックすると該当の決算説明会資料へのリンクとなっていますのでご活用ください。
フリー - 全社 〇
決算コメント:
ARR92.7億円に対し、ARR成長率がYonYで+49.9%はSaaS企業群の中で群を抜く高成長水準。前四半期は+38.8%の成長であり、モメンタムが強い。ARR100億前後の企業では、ラクスやSansanがあるが、いずれも+20-30%成長率であり、このままいくと数年内に追い抜く計算に。SaaS企業への投資家期待が高成長銘柄に偏重している中で今回決算でさらに支持を集めた印象。
キースライドは「freee スマート受発注」のリリース。業務系SaaSで先行する各社は、強みをつくったプロダクトを起点として垂直、水平展開を加速している。会計領域で顧客基盤を持つfreeeがこのような周辺サービスをどのくらいのスピード感で成長させ面での成長を取れるかに今後注目が集まる。
ラクス - ◎
決算コメント:
四半期ベースでクラウド事業売上高がYonYで+38.6%と、前四半期、前年同期比成長率双方より加速している強い決算。主力の楽楽精算が+41.6%成長というだけでなく、次の柱と見据える楽楽明細がARR12.9億でYonY+114.7%成長と急速な成長を見せている点も評価される。
キースライドは2019~2021年の中期目標の進捗ページ。2018年3月期決算公表時に掲げた際は今と比べると注目度は低く、当時の株価は現在の4分の1程度。そこから市場の期待を上回る成長を見せ、現在では時価総額3,500億円。次回の本決算発表時に公表される5か年計画に注目が集まる。
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