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#27 MajiでSyokuhunする3秒前

【前回の内容】↓

目の前で行われる食糞を防ぐことには成功した。
これで大丈夫だ。

オシ○コを済ませたボナムを少し部屋で遊ばせようと
サークルから出す。

ボナムが来てからというものの
真の安らぎというものを手に入れていない。

それは旦那も一緒だ。

気づけばしつけ教室に預けるまで、あと3日。
走馬灯のように今までの出来事が頭をよぎる。

「実際どう?あと3日でボナムを預けるけど」
…寂しいね

ぽつりと呟く旦那の目は
以前とは別人のようで、
優しさと愛に満ちあふれていた。

「本当はね…しつけ教室に行かなくても
 いいんじゃないかって思い始めているんだよね。
 俺もあの時は嫌いとか言ったけど
 それは本心じゃなくて、
 自分への苛立ちもあったんだ」

「苛立ち?」

「そう。ボナムの成長を待てない自分への苛立ち。
 だって子犬だからしょうがないのにね。
 最初から完璧を求めてしまっていた…
 わかってはいるんだけど
 ボナムが問題を起こすたびに
 許せない自分の心の狭さにイライラしていたんだ。
 そんな自分が嫌だった…」

旦那は本当はとても心優しくて
繊細な人だ。
完璧を求めているわけではないけど
いつも気付いたら自分を追い詰めてまでも
理想を追い求めてしまう。
自分にも厳しい分、なんで出来ないの?と
他者にも求めてしまう。
そんな人。ただの、がんばり屋さんなだけ。

だから、育犬ノイローゼになりやすい人は
真面目な人が多いという理由にも納得する。
ワンちゃんが嫌なのではなく
ワンちゃんの行動を許せない
自分が許せない
だけなのだ。
心の底からワンちゃんを想うあまり
次は出来るかもしれないと期待をし
出来なかった時は、とっても落ち込んでしまう。

旦那の気持ちはずっと分かっていた。
だからこそ、あえて何も言わなかった。

「あと3日間、がんばろうよ!」
「そうだね、そしたらあいつも大人に…」

ガサガサッ

隣の部屋からなにか物音がした。

「え?なに?」

さっきまで足元にいたはずの
ボナムが居ない。

暗い部屋に浮かび上がる白い姿。
奴はなにやら一生懸命何かを嗅いでいる。

「ボナム?何しているの!?」

その一言にびっくりして
ギョッと振り返るボナム。

「ボナム何をしてんだ⁉︎あ!!!!!」
旦那が叫ぶ。

暗闇の中でもはっきりと分かった。

う○こだ…!!!!

ボナムは誰も居ない部屋で
う○こをしていて
ガサガサという音は、まさに喰おうかどうしようかと
悩んでいる仕草の音だったのだ。

「やめなさああああああああい」
「こっち来いいいいいいいい」

そんな言葉を無視し
口元にう○こをつけようとするボナム。

う○こを喰う3秒前、、、3,2,1!


「ぎあああああああんんんんんんるぅ」


間にあわないと思った私は
とりあえず大きな奇声を発した。
その音にびっくりしたボナムは驚き
その場から一瞬離れたので
すかさず抱きかかえ、う○こから引き離した。
「そこに便があるから」作戦は失敗したが
「必殺☆ラリるから」を使って危機を逃れた。

「やっぱり早く、しつけ教室に連れていきたい」
そうポツリと呟く旦那の姿は未だに忘れられない。

ずっと前からう○このこと舐めてたわ 誰よりも
やっと私に来たチャンス 逃がせないの
うらららとラリって 走り寄るまなざしに
MajiでShokufunしちゃいそうな 運命の3秒前

MajiでKoiする5秒前 / 広末涼子
※太文字は替え歌

その日、しつけ教室への問題行動リストに
太文字で【食糞】と刻む。
それからも、クレートの中で食糞するのではないかと
心配になってしまい、ソワソワして眠れなかった。

これこそ
MajiでKonya 眠れない
しつけ教室3日前
の出来ごとーーー。

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