11月23日(木)祝日 13:56 3号車 17 E
上りの新幹線ほど心躍るものはないが、下りの新幹線ほど億劫に感じるものはない。少なくとも今の私にとっては。
少しでも落ち着かせる為にこれを書いている。左手にはドトールのサンドと言えば必ず選ぶと言っていいほどだいすきなミラノサンドのBとブレンドコーヒーの入った紙袋。ホームの寒々しい風に流れて紙袋からコーヒーの香りがふんわり漂ってくる。多分ドトールでのテイクアウトは初めてのような気がする。あまり見覚えのない包装紙に包まれたミラノサンドとコーヒー、紙袋。それだけでいつもと違うのに下りの新幹線に乗るということが余計に私を緊張させる。
そもそも、下りの新幹線なんて滅多に乗らないのだ。上りの新幹線、殊更始発のものは旅行で何回と乗ってきたので早起きの億劫さを微塵も感じないくらい心惹かれるものなのだけど、下りの新幹線に限っては目的地は1つしかないので足取りは重いし、憂鬱だ。
少し前に先に出発した弟から到着を知らせるラインが来ていたけれど、適切な返信内容が浮かばなかったので既読スルーにしてしまった。
目的地での滞在時間は長くてもせいぜい3時間程度だろう。その3時間の、たかだか紙切れ一枚の為に6千円を使った。馬鹿馬鹿しいという私にその馬鹿馬鹿しい行為をしなきゃ終わらせられないと言う私。本当にその通りだ。
念願なのだけど、高揚感とは違う意味でやっぱり緊張している。納得出来ない部分があるから、私たちが強行させようとしている部分があるから、どうしても釈然としきれなくて、正直少しだけ後ろめたい。
けれど、ここで終わりにしたいという気持ちは変わらない。そうでなければわざわざ下りの新幹線になんか乗っていないはずなのだ。
たかが紙切れ1枚、されど紙切れ1枚。少しずつでいいから変わって行くといい。