見出し画像

fog tv vol.2 竹歯ブラシ「MiYO-organic-が出来るまで」レポート

 7/2(木)、fog tv vol.2 竹歯ブラシ「MiYO-organic-が出来るまで」を開催しました。ご視聴いただいた皆様、どうもありがとうございました!
アーカイブのYoutubeリンクはこちら

※そして配信予定先のリンクから配信できず申し訳ありませんでした。
次回はマスターしておきますので、どうぞよろしくお願い致します…!

Vol.1に続き、noteでもトーク内容をレポートします。
ゼロからオーガニック竹歯ブラシを作り上げた山本美代さんのお話は、ものづくりや循環に関するヒントがたくさん詰まっており、とても密度の濃い時間となりました。

ゲスト:山本美代さん

まずは、今回のゲスト山本美代さんについて改めてご紹介します。

画像2

プロフィール:
愛知県名古屋市出身。創業44年、商業施設に消耗品を販売する店舗プロデュース会社の二代目。3M デンタル事業部、HUGE PR 、CRYSTAL LINE ウェディングコーディネーター、Y.J.INC シンガポール食器ブランドプロデューサーを経験。YJ.INCでは、「Luzerne」の日本での立ち上げから約7年間携わる。2017年にDiNiNG+を立ち上げ、食器ソムリエとして活動中。( note )
竹歯ブラシMiYO-organic-を作り、2020年よりオンラインにて販売中

この竹歯ブラシ「MiYO -organic-」は、7/4,5の土日にはロフトでも販売が開始されたそうです!

画像3


竹歯ブラシが出来るまで


名前「MiYO-organic-」

 竹歯ブラシを作って販売することを自分の使命とし、責任を全うしてやっていく覚悟を込めてご自身のお名前を付けたそうです。そもそも美代さんのお名前には、お母様の「美しいものを次の世代に残していけるようになりなさい」という想いが込められているそう。お美しい…!そしてデザインでは「MiYO」のiが斜めになっています。これは、垂直ではなく斜めに繋がっていくことで橋渡しになれるようなプロダクトになりたいという想いが込められているそうです。

画像4

竹歯ブラシを作った理由
 大きく2つ。一つが「消耗品を、プラスチックではない代替するもので作りたい」という想いから。ご自身の会社が消耗品を卸しているということもあり、歯ブラシに限らず消耗品をサステナブルなものに変えていきたかったそうです。そしてもう一つが、出張先のホテルでの出来事。アメニティの丈夫な歯ブラシを使った際、300室あったそのホテルだけで考えても一晩で捨てられる数に衝撃を受けたそう。そこからサステナブルな歯ブラシを探したが見つからなかったため、自分で作るしかない!という使命感に繋がったとのこと。自分の体験から気付きを得て、使命感を持って即実践する姿に脱帽です。

なぜ作ることが出来たのか
 「作りたいと思っていても、方法が分からないから考えて終わりの人が多い。なぜできたのか?」と大山。美代さんの答えとしては、圧倒的な行動量とつくる環境的にゼロスタートではなかったことを挙げていました。行動量という面では、「ネット・電話であらゆる歯ブラシ工場へリーチした」そう。また、家業や今までの仕事で培った様々な素材でOEMなどの経験も製品開発に生きたようです。

 「金型」をどう処理するかは重要なテーマ。パッケージには割り箸の紙容器の既存の金型を応用できたことで、コストも抑えることができたそうです。

動き始めてから奮闘の日々
 全国のリストから電話するものの、竹が自然素材であるが故の様々な問題から断られ続けた美代さん。そこで発想を変えて、同じ自然素材の消耗品である割り箸工場へアプローチ。最終的に、竹材に薬剤を使わずに加工できる特許を持った工場にリーチし意気投合、勢いで中国への訪問に同行させてもらい竹や工場を視察して信頼できると確信し、製造に漕ぎつけたそうです。

中国産の竹である理由
 もちろん日本の竹で作りたかったそうです。しかし使える竹であるためには竹林が管理されている必要があり、手が行き届いていない日本の竹では、現状製品にできるような竹材を確保することはかなり難しいとのこと。というのは、竹は成長が早く質の経年的な違いが大きいため、成長年数が異なる竹が混在していると材料として使うには難しいそうです。
 日本では売れないからマーケットがない。よって儲からないから管理が出来ない…という悪循環。そこで美代さんは、MiYO-organic-をきっかけに竹のマーケットを日本に広げていくファーストステップにしたいとのこと。ちなみに、竹に関しても相当勉強されたそうで、竹の本や竹害のボランティアの方に話を聞きに行ったりもしたそうです。

期間と製造体制
 圧倒的なスピード感です。2018年12月に竹歯ブラシ作成を思い立ち、中国に行ったのが2019年の夏8月。11月に第一サンプルが完成し、今年5月に販売を開始。これを本業とは別で行っていたというのだから驚きです。製造体制メンバーは、美代さん含め5人という少人数で役割を分担して動いていきました。

家業はサーキュラーのキーワード?!

 家業の2,3代目がサーキュラーを意識している人が多い、という話題に。「次生き残っていくための方法を考えたときに、循環を考えないと続けていけないと危機感があるのか?」という大山の質問による深ぼりから、『家業』が要であることが見えてきました。

 星野リゾートの星野氏の、『ファミリービジネスは長いスパンでタスキをつなぐビジネス。20~30年でビジネスモデルをチェンジしないといけない』という言葉を紹介しながら説明して下さった美代さん。
 

 自分の代だけの話ではない上に、家業はやめるという発想がないため今後30年間も生き残らなければならないという視点の長さ。同時に、高度経済成長だった親世代とはキャラクターも得意なことも異なるため自分らしくいたいという想い、両方が掛け合わさっていることが分かりました。竹歯ブラシのような新しい取り組みをしつつも、会社のビジネスモデルのフォーマットとターゲットは変えず、それを自分のキャラで作っているとのことでした。

終わりに

 心地よい生活をしたいという想いが起点にあって、そのために使うものがサステナブルである必要がある。美代さんはその選択肢を日常の中で増やしたいそうです。歯ブラシを作ったからには歯磨き粉も作りたい、いずれはホテルのアメニティも作りたいと、構想は膨らんでいるようです。コメントやのちのメッセージで応援して下さる方もいらっしゃいました。本当に広がって欲しいですし、楽しみですね!

画像4

 Team fog一同話したいことはまだまだありましたが、今回のfog tv vol.2はここらでいったんお開き。いや~本当に学びの深い時間を、美代さんありがとうございました!

次回告知

 fog tv vol.3 のゲストは7/22(水)、LUSH 環境マネージャーのRuth Andrade をお招きします!

過去のインタビュー記事はこちら (出典:BUSINESS INSIDER JAPAN, 2018)

 日本ではまだ深く知られていない『リジェネレーション』について、個人・企業として落とし込み実践されている彼女に詳しく伺います。詳細は追って掲載しますので、是非お楽しみに!


最後までお読みいただきありがとうございました。





大垣 多恵 (おおがき たえ):東京農工大学にて大学院までプラスチックによる海洋汚染の研究に取り組み、在学中に学生や一般向けに啓発活動を行う。卒業後、ビジネスを通じて環境問題を解決したいという考えのもと民間企業へ入社。働きながら、持続可能な経済活動を考えるうちによりローカルな循環経済に興味を持ち、今に至る。

いいなと思ったら応援しよう!