うんなんローカルマニフェスト03. リサーチで得たものを言葉・イラストへ
前回、「うんなんローカルマニフェスト」を作るために必要な情報をどのようにして集めたかということについて書きました。今日は、その集めた情報をどのように言葉やイラストに纏めていったのかということを記します。
リサーチから言葉へ、そして市民の皆さんと確認
インタビューをして行く過程で見えてきた、雲南の人達が大切にしている価値観や想いなどを膨大に言葉として抜き出し、オンライン上のボード”miro”に整理していきました。
話を聴く中で分かってきたことに加えて、私大垣が実生活の中で感じたこと、色々な行動の上位にあるであろう意識などを大山と壁打ちしながらまとめていきます。近しい価値観を並べたり、私が経験した出来事とそれに紐付く価値観を繋げて行ったり。それらがある程度溜まってきたら、インタビューの最後やインタビュー以外でも市民の方とゆっくり話す機会があればそれを見せて、感覚的にそれは合っているかどうか、他にもないか等対話していきました。この段階で、皆さんからは「これなんて本当そうだね!」「言われてみればたしかにそうかも…!」といった反応を頂き、私たちが捉えていったものは間違っていないということに確信が持てていきました。
それらを元に、大山と相談しながらさらに情報を整理。最終的な形の元となる言葉自体を紡ぐ部分は大山が行いました。それを元に、まずは2人でディスカッションを重ね、実際にインタビューを行っていった私の目線でその言葉についてすり合わせをして行きました。その後インタビューをしていった方々(その中でも地元の方)に再度その言葉を見せていき、フィードバックを頂きながら磨き上げていきました。
言葉をイラストでも表現するために
今回、ローカルマニフェストは言葉とイラストで表すことにしました。これは、かつて日登中学校の初代校長を務めた加藤歓一郎先生のエピソードに由来します。
どんなエピソードかというと。昭和天皇即位の際に学校の先生たちがお祝いとして、それぞれが半紙一枚に言葉を描いてお贈りしたことがあったそうです。他の先生方が文章や言葉で示しているのに対し、加藤先生だけなんと絵を描き、それをお祝いとしたのです。しかもその絵は、子供達が何人かで地球を支えている絵でした。
このように、言葉ではなくても目指しているものを描き表して理解することができる、むしろ明確に言い切る言葉ではなく抽象的に共有し合うというのも、雲南らしいのかもしれないという気づきを得ました。
それからイラストレーターさんを探し、中でも柔らかなタッチで親しみを感じられるだけでなく、背景も分かったうえで風刺画チックな表現もされるwacoさんが候補にあがり。絵を拝見していくにつれて、今回のローカルマニフェストを描き表していただくにはwacoさんしかいない!そう思いお願いさせていただきました。
これまでに得た情報や、私たちが気づいた雲南の方の気質、文化などをwacoさんにお伝えしながら、作った言葉とその背景を共有。あとは雲南の中で見つけていった日常的な風景などの写真を大量に共有して、参考にしていただきました。
イラストのたたきを頂いた段階で、再度コミュニティ財団の尚実さんにも見ていただきたなら言葉と絵のイメージのすり合わせをしていきます。頂いたフィードバックを元に、再度デザイナーチーム・wacoさんに修正等の微調整をお願いしました。(本当にありがとうございました!)
こんな経緯があり、最終的に大変素敵なイラストが完成!デザイナーチームの提案もあり、表紙のみ色を付けたのですがそれ以外の10の言葉のイラストにはほとんど色を付けず、手に取った方それぞれが好きな色に塗れるようにしました。
これは、雲南は様々な背景から引きこもりがちになってしまう方も多く、そういった方の「絵や音楽、演劇なら自分を表現しやすかった」という声があったことを踏まえて、自分で好きな色に染めて完成させて欲しい、という考えのもと行いました。
このように、ローカルマニフェストの制作としては、私たちfogだけではなく、デザイナーチームの「TOU」稲葉よし美さん、鈴田ナオさん、イラストレーターの東口和貴子さん(waco さん)がいらっしゃったからこそ出来たものなのでした。
続いてはこの裏面、マニフェストの言葉が出来るまでに集まった声を示しているページについて書きます。