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モラハラ被害者によるモラハラ考察②認知の歪み【前編】

「認知の歪み」ってご存知ですか?

僕が初めてこの言葉を知ったのはツイッターで、フォロワーさんのリツイートで見かけたツイートで見たのが初めてだったのですが、そのツイートをされてた方ご本人がその「認知の歪み」があり、ご主人の協力の元にお二人で一緒にそれを改善するために戦って(治療)いると言う内容のツイートでした。

認知の歪みとは?

そのツイートにもかなり詳しく「認知の歪み」について書いてあったのですが、僕の配偶者とかなり近い印象を受けたので早速調べてみました。

認知の歪み(にんちのゆがみ、Cognitive distortion)とは、誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)である。これらは精神病理状態(とりわけ抑うつや不安)を永続化させうるとされている。
Wikipediaより抜粋

ちょっと何の事だか僕の中では良く分からない感じなのですが、ここから先の説明でモラルハラスメントに関わる(被害者サイドで)方ならご理解いただけるようになると思います。

 認知の歪みの10の思考パターン

「認知の歪み」には、10の思考パターンがあります。


 ・全か無かの思考
・行き過ぎた一般化
・心のフィルター
・マイナス化思考
・結論の飛躍
・拡大解釈、過小解釈
・感情の理由づけ
・~すべき思考
・レッテル貼り
・誤った自己責任化(個人化)

一応10の思考パターンをあげましたが、10個の中に、この言葉を聞いただけでも何となく思い当たる節があるのではないでしょうか。

一応、簡単な実例を踏まえて10の思考パターンを1つずつ自分なりにですが解説させていただきます。

ちなみに10パターン全てだとちょっと長過ぎたので、5つずつに分割させて頂き、前編・後編とさせて頂き、今回はその前編になります。

最初に断っておきますが、ここから先に解説する内容について、そのうちの幾つかが、ほぼ完璧に当てはまる様な事があったとしても、その対象となる人(パートナーや家族、友人)にはその事を言わないで下さい。

当てはまるとしたら、その人の“認知”は確実に“歪んでいる”ので残念ですが話しても聞き入れてくれる可能性はかなり低いと思われますし、もしまともに受け取って貰える様な相手なら、きっとあなたはこの文章を読んではいないかも知れません。

どうしても相手に伝え、治療させたいと考える方に対して僕が言えるのは、僕は「専門家」では無く、「ただの体験者(被害者)」なのではっきりとは言えませんが、同じ「認知の歪み」でも原因によっては“治療が出来るも”のと“治療が出来ないもの”がある様なので、そこの辺りの見極めが必要とされると思います。

ちなみに僕が体験しているのは“治療が出来ないもの”のタイプです。(この時点で相手に伝えましたがガチギレされて大変でした。)

それでは進めさせていただきます。

全か無かの思考

これは、スプリッティング(分裂)とも言われ、白か黒しか無いと言う考え方で、モノの見方にグレーが無いと言う思考パターンです。

例えば、あなたが、いつも当たり前の様ににやっている“たわいもない事”を、たまたまその時に限って“ついうっかり”忘れてしまい、それをたまたまパートナーに見つかってしまいました。

普通ならば、その様なミスは誰にでもある事で、見つけたパートナーから見ても“たわいもない事”だし、そこまで責任を追及する様な事も無いと思います。

しかし、「認知の歪み」があると、
「こんな“たわいもない事”すら満足に出来ないの?お前は最低なやつだ!」
と嫌味を言われたり暴言を吐かれたりします。

これは、「認知の歪み」がある人からすると、“完全なる善”か“完全なる悪”のどちらかにしか判断できないかので、どんな些細な事だとしてもミスは“完全なる悪”と判断されてしまいます。

なので、あなたがもし何かしらのミスをした時のパートナーの反応に対して「え?こんな事でなんでここまで言われなきゃいけないの?」と感じる事が、もし幾度と無くある様ならば要注意だと思われます。

人間は基本的には完璧な存在では無いので、善の部分もあれば悪の部分も持ち合わせています。それらが何かある度に葛藤しているのが人間で、その時の状態によってはどっち付かずのグレーだったりする事も多いはずです。

普通ならば当たり前にその様な事が理解出来るはずですが、それを認知する為の思考が歪んでしまっているので、その人は正しく物事を判断する事は出来ません。

ですが、この「全か無かの思考」モラルハラスメントに関してはかなり重要なキーになる思考だと僕は考えています。


モラルハラスメントの加害者傾向のある人は、僕が思うに殆どの人が「認知の歪み」の傾向があると思われますので「全か無かの思考」で自分以外の人を“善(理想化)”か“悪(脱価値化)”のどちらかに分類します。(モラハラ加害者自身は本人が100%の善だと信じて疑う事は有りません)

この“理想化”と“脱価値化”と言うものがなかなか曲者で、初めにモラハラ加害者は、被害者を自分にとって“理想化”された存在だと思いターゲットに定めます。(無意識で)

モラハラ加害者は一般的に被害者体質の人に気に入られるポイントを良く理解していて巧みに近付いて来ます。距離感を縮めるのも得意なんだと思います。(無意識で)

被害者体質の人からするとモラハラ加害者は、“この時点では”とっても親しみ易く気の合う人だと思い、心を許します。

昔、「釣った魚にエサはなんとか」と言う言葉がありましたが、モラハラ加害者はまさにこれです。

モラハラ加害者は、「自分のものになった」と確信して暫くすると変化が現れ、“理想化”から“脱価値化”への格下げが始まります。(無意識で)

“ほんの些細な事”がきっかけで被害者に対しての“脱価値化”が加速して行き、モラルハラスメントも次第に加速して行きます。

行き過ぎた一般化 

行き過ぎた一般化(Overgeneralization)とは、経験や根拠が不十分なまま早まった一般化を下すこと。 ひとつの事例や、単一の証拠を元に、非常に幅広く一般化した結論を下すことである。たった一回の問題発生だけで、その問題は何度も繰り返すと結論付けてしまう。

これもやはり極端な思考パターンで、ほんの数回の経験で、その後は全てそうなると一方的に思い込んでしまうと言う思考パターンです。

A は X である。
B も X である。
C も X である。
D も X である。
したがって、いかなる場合も X である。
Wikipedia早まった一般化より抜粋

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/早まった一般化

普通に考えれば「え?そんな一度や二度の事で全てが分かる訳無いよ」と考えるところが認知の歪みのある人は、その一度や二度で全てを“知る”のです。

心のフィルター

選択的抽象化(selective abbreviation)ともされ、物事全体のうち、悪い部分のほうへ目が行ってしまい、良い部分が除外されてしまうこと。

これは、「認知歪み」に対して僕が個人的に感じてる事なので正解かどうかは専門家に聞かないと分からないのですが、「認知の歪み」によって事実が捻じ曲げられ、その矛先が内に向くのか外に向くのかで結果が極端に変わってきます。

それはきっと「認知歪み」の原因になるものの違いによると思うのですが、その矛先が内にへ向かえば本人が「鬱」や「自傷行為」として現れ、外へ向かえば「モラルハラスメント」になるのだと思われます。

なのでこの「心のフィルター」も「人の悪い部分しか見えなくなる」と言う様な極端な思考を作り出してしまいます。

マイナス化思考

マイナス化思考(Disqualifying the positive)では、上手くいったら「これはまぐれだ」と思い、上手くいかなかったら「やっぱりそうなんだ」と考える。良い事があったことを無視してしまうばかりか、それを悪い方にすり替えてしまう。

これも、それが内に働くか外に働くかで随分と結果が違って来ますが、今回はモラルハラスメントについてなので基本的に外に働いた場合で進めさせて頂きます。

これも加害者が被害者を追い詰める為のきっかけ探しの様な物で被害者の“上手くいった”は全くカウントされずに、たまにしか無い“上手くいかない”は「やっぱりか、いつも失敗ばかりじゃないか」と言うお話になってしまいます。

結論の飛躍

これは、「心の読み過ぎ」と「先読みの誤り」と二つのパターンが存在します。

 1. 心の読みすぎ(Mind reading)とは、他人の行動や非言語的コミュニケーションから、ネガティブな可能性を推測すること。当人に尋ねることなく、論理的に起こりうる最悪のケースを推測し、その予防措置を取ったりする。

2. 先読みの誤り(Fortune-telling)とは、物事が悪い結果をもたらすと推測すること。悲劇的な結論に一足先にジャンプしてしまう。

これは「認知の歪み」を知ってから、意識して聞いていると、面白いくらいに両方のパターンに気付く事があるのではないでしょうか。

話を聞いてるこちらからすると、あまりにも予想が飛躍し過ぎていて、驚かされますが、往々にしてネガティブな予想です。

おまけに他者の心理も「あの人絶対こう思ってる」と一度言い出すと全くこちらの話は耳に入らなくなってしまうようです。

前編まとめ

今回は「認知の歪み」の10パターンの思考の内5パターンの解説をさせて頂きました。

途中でも少し触れましたが、
「認知の歪み」=「モラハラ加害者」
では決してありません。

ただ、「認知の歪み」が外に(他人に)働く事によってモラルハラスメントに発展し、それが加速して行くと言う事を理解しておいて下さい。

モラルハラスメントと言う観点から「認知の歪み」と言うものを考えると切っても切り離せないものがありますが、その中でもやはり「全か無かの思考」に注意して頂くとその加害者の心理の本質が見えて来るかも知れません。

次回、残り5パターンの解説をお伝えさせて頂きます。


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