Karinさんを支え、叱咤し、時にダメにさせてきたX-Oasis共同創業者から皆様へのラブ
X-Oasisを語る時に、今もそしてこれからも中心にいる人物は、バーチャルAV女優Karinさんである。
これは創業者として身を引くまでどこまでも続く。
この文章では、X-Oasis経営の意思決定プロセスを主軸に話を展開する。
Karinさんを経営陣の一人として間近で立っていた人…からの視点で、X-Oasisに貴方の夢を乗せるという事がどういう意味があるのか、興味のあるあらゆる人に向けて書いている。
ほぼ実質NPO法人のX-Oasis
僕ら経営陣(以後、単に僕らという言います)の仕事がなんであるか説明前に、一つ注訳を挟ませて頂く。
まず、クロシスは限りなくNPOに近いと言うこと。
それはどういう事かというと、法人として、理念と生存を決定づける優先順位が極めて理念に偏っている。
単純にあらゆる組織の目的となりえる「生存」のみで何かを判断する事は無く、あらゆる意思決定は理念に照合されて実行される。
もし、誤解を産んだり、最終的に理念への照合が不可能な事をしてしまったなら、それらは全てミスであり、僕らが至らない未熟な者である事に他ならない。
では、生存の優先順位が低いかというとそういう事はない。それは、常に資金とにらめっこされ、「どれほどの余力があるか」で常に優先順位は変動する。しかし、どんなにこれまで資金的に追い詰められても、単純に「生存のため」だけで判断する事はなかった。
いや、あったしても反省し、二度と犯さない間違いだと自分たちを処罰している。
(生存する確率 x 理念への照合率)² x マネー運用効率 x マネーパワー = 理念実現力
企業買収の件で、最終的に折り合いが付かなかったのも理念が大きく関係している。
仮に生存(特に僕とKarinさんの余生)が確約されても、理念の実現性に対して僕らが不安を抱くようであれば、意味がないと僕らは判断させて頂いた。
(生存する確率 x 理念への照合率)² x マネー運用効率 x マネーパワー = 理念実現力
この数式は僕が勝手に作った。
現状の独立体制よりも低下すると判断した。
超絶感覚だが、吸収された場合、生存する確率が60%ぐらいになり、理念への照合が30%ぐらいに落ち、マネー運用効率が70%程になる。すると、マネーパワーの出力は、2.268%(0.18の二乗 x 0.7)になる。
反して、Karinさんか僕が死去しない限り、生存がほぼほぼに近い100%現状と、Karinさんが理念への照合を100%にすれば、マネーパワー与える理念実現力は100%となる。マネー運用効率は、ある意味で向上するがある意味で下がり、超感覚で50%としよう。
つまり、50% / 2.268%…つまりマネーパワーが22倍にならないと現状から縦に首をふることが出来なかったのである。
そしてそれが確約される事がなかった。以上が要因である。
これは、仮に初期マネーで22倍が提供されたとしても、今後のマネーパワーの意味が永久に22倍になるので、長期的に効率を低下させる負担である。
その壁をぶち抜く為に、もっともっと大きな額の吸収後の予算が必要だった。
こう言って見るとわかるが、最初から無理だった。
先方の条件が悪いのではなくて、僕らの働き方(どんなに不利になっても、生存を100%近くにできるメンタルの強さ)や理想の内容があまりも他人と合致しにくいのである。この数式の左辺にちゃっかり二乗がついているところなんかも数値的に不可能にしていると言える。
僕もこの事をあまり自覚できておらず、先方と話が通らない事への理解が不足してしまい、とても申し訳なく思っている。
次の商談のチャンスがあるなら、失敗を活かしていく所存である。
理念の守護者Karin
僕は、Karinさんと違い、ある程度の説明が付けば良いだろうと営利目的で判断しようとするが、Karinさんはそうではない。
追求を続け、可能な限り「それは生存のために必要だから」で諦めず、完全照合を目指す。
真の意味で意思決定者は、今もKarinさんただ一人である。
僕はただ、そこにいて…全者が納得できるソリューションを共に考えるだけある。
以上が理念が超重要事項として掲げられているX-Oasisの経営方針である。それを踏まえた上、僕らがどんな経営判断のプロセスを行っているかを説明する。
X-Oasisの経営的判断プロセス
最も重要な経営的判断とは…
「多様なユーザー(キャスト、ゲスト双方)から要望を、どのように実装したら理念に収まりつつ、納得して貰えるソリューションになるのかを考える事」である。
これが僕らの最も時間を費やしてる事であり、通せなければ実装案は通らない。
そして、多くの場合、上がってくるソリューションは時としてベースとなる意見から大きく形を変えている。
しかし、それにはユーザー、キャスト・ゲスト双方の意見を内包しているつもりで、その意見の本質となる欲求に対しては応じているつもりなのである。
それが僕らの意図した形でソリューションとしてユーザーの問題を解決していないのであれば、僕らは修正を求められている。
一口でユーザーと言っても、クロシスは一般的なサービスやプロダクトより複雑である。
何故ならゲストとキャストという、時に利害関係が相反するニ者を繋げてあげる必要があるからである。
そこに理念も加わり、単純にユーザーの意見をバランスを取ったソリューションを提供すれば良いと言うわけですら無い。
言うなら考えるべき事が三次元的であり、ソリューションは無限に存在し、仮の理想解を見つけるだけでも非常に時間のかかるプロセスである。
ソリューション自体が刺さっていないという事もあるだろうし、フットワークが重いと感じさせた要因になっていただろう。そして、実際に離れていったユーザーも多々いるのは承知している。
意思決定が遅いからX-Oasisはビジネスとしてダメなのか?
結論から言うと僕は全くそうは思わない。
いや、正確には参入初期には、商業的にもう少し妥協し、意思決定速度を重視出来ないかを議論していた時もあった。
しかし、ソリューションというのは多数の意見を包括している程、強固で独特なモノになりえる。
そして特にシステム開発を必要とするソリューションというのは、後から変更するコストが高いため、一発である程度の精度のモノを構築する必要がある。
その中でKarinさんの理念というのは重要な思考のための糸口であり、唯一キャストとゲストという利害関係が相反しがちなユーザーを繋げるラストピースである事を僕はこの20ヶ月で学んだ。
これは、どんなに問題が多面化していても、僕ら常に従来の物の考え方の檻から自身の創造力の壁を打ち破り、あらゆる事からソリューションとなるヒントを貪欲に見つけさせる動機となっている。
X-Oasisに気に入らない部分を抱えるユーザーの方々も、一つや二つはX-Oasisでのなにかの実現方法ついて深い関心を覚えた人もいるのではないだろうか?
それは一朝一夕のアイデアで生まれたものではなく、なんとかして相反している利害関係や問題を調和し、最適に近づける為の工夫の成果である。
今回問題として上がっている、CVRの件はその中でも最たる物であり、僕らは半年前から考慮をはじめ、それをどうしたら複数あるX-Oasisの理念と完全照合できるかを悩んだ。
「生存」の観点からすれば、もう少しCVRに纏わる問題はもう少し先送りをしたかったというのが本音である。
というのは、本来「生存」と関係のない事であり、もっとゆっくりと理念的検証を進めてよかった分野だったはずである。
しかし、「生存」の重要要素であるキャストの何人かは離脱した。それにCVRがどれぐらい関係しているかと言うと、全く関係がないとは絶対に言い切れないぐらいには影響があると言える。(他にも僕らが知らずにやらかしてしまっている事も多々あるだろう)
そして、この生存に対して、僕らは理念への正当性を照合する必要に迫られてしまった。これは、X-Oasisが初めて直面した「時代の変化」への適用である。
CVRに対し、理念を照合した実装に関しての説明は、Karinさんの戦場なので僕はここでは一切触れない。楽しみに!
焦らない、焦らせない
少し蛇足になりかけているが、「DaryさんがKarinさんを焦らせているのでは?」という疑問が僕の中にいつもある。
別に誰に言われたわけでもなく、一部の人が懸念していると僕は勝手に推測している。というか正確には、僕がいつも自分自身に自問している事である。
これに関してもし誰かから聞かれたら…
一部そのとおりであると答えざるを得ない。
今回Karinさんからポンと出力されたモノは、僕でも指摘できるような浅さだったし、どんなバッシングを受けたとしてもごもっとなご指摘でございますとしかほぼ言えない内容であった。
しかし、今は、問題と立ち向かう姿を僕には見せてくれたし、その結果は良い物になるのは僕は既に確信している。
でも、そんなポカもかなりの割合で僕が悪いと思っている。
僕は今回のことで心に再度刻んだ。今後絶対にKarinさんを焦らせ、理念に鈍らせる事はしない。
僕自身が焦らないのはもちろん、Karinさんも焦らせない。
いや、もし、Karinさんがまた焦る事があったとしたら、それは僕の責任であるという事にする。
またこんな事があれば、「おい、Dary、Karinさん焦ってるぞ仕事しろ」と言ってくれていい。
と言っても、この程度の焦りで済んでいるのは、理念に対して真摯なKarinさんだからこそであると僕は思っている。
明確になったX-Oasisの将来の実装とクラウドファンディング
今回のクラウドファンディングで、X-Oasisが掲げているロードマップたちは、去年は全く意味が異なる。
どのロードマップも遥かに洗練されており、具体的な実装まで既に決まっている。つまり僕の実装待ちとなっている。
これは完全にエンジニア視点として…「仕様が明確になってきた」の一言でご理解頂けるのではないかと思う。
仕様が明確になるということは、お金でシステム開発を加速する事ができるようになったという事である。ようやく発注が可能な段階に入ったという事だ。
そういった視線で、公開される予定の資料をご覧頂き、「金」を有意義に僕らが扱う事ができるのか?
それとも追加されるリソースにより、焦らせられるだけになってしまうのか?
そして、貴方にとってロードマップを通じて実装されるX-Oasisに価値があるか?
以上の観点等から、ご判断頂ければ何よりだと思っている。
世界初のVR風俗店だからこその余裕
僕は、第二第三が生まれる日を焦っていた。
いや、だからこそ焦る事なんてない。むしろ先発の僕らにしかきっとこんな事は出来ないのではないだろうか?
と商業的成功を完全にないがしろにして謳ってきたが、これは共同創業者として僕が強く意識するべき自戒を兼ねている。実際には、理念は商業的成功を抜きにしては実体化されないが、僕なりの順番の問題であると思ってほしい。
さて、語った分だけ、開発に必要で僕にとって希少なエンジニア気質が、オナラのように抜けていく感覚があるのでこの辺で失礼する。
また必要に迫られれば前に出るかもしれないし、前に出ないかもしれないが、稀に僕の立場でしか言えない事もあるようなので軽く書かせて頂きました。
アディオスアミーゴス&アミーガス!
X-Oasis CTO Dary