
中島みゆき「糸」と行列式-前編
中島みゆきの「糸」を知っていますか?
この曲は結婚式の定番曲になっているのですが、私はそれこそ結婚を決めるまで知りませんでした。いい曲ですね。
特に以下の歌詞には衝撃を受けました。
私は気づいてしまったのです。この34文字に結婚生活を円満に送る方法のすべてが含まれていることに。
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない
あなたと私は同じ方向を向いている必要はない
縦糸と横糸が互いに独立した存在であることが、布を成立させるために必要な条件です。たとえば、縦糸と横糸が全く同じ方向に向かっていたり、完全に重なり合っていたりしたら、布は成立しません。
これは私には目からウロコというやつで、妻と同じ方向を向こうと頑張る必要がないんだと思ったらとっても気が楽になりました。
点で交わる
縦糸と横糸は別々の方向を向いていますが点では交わっています。これすらなければただのバラバラです。
この交点が何を指しているのかは難しいところです。
真っ先に思い浮かべるのは「価値観」ですが、ちょっとぼんやりしていて弱いです。
私は「結婚する」と互いが本当に思ってしまい、それを互いに確認したことが交点だと考えています。ずばりプロボーズしたその日のことです。
結婚とは苦楽を"永遠に"共にすると対外的に表明することです。しかし永遠というのはありません。結婚は必ず破綻します。だからこそ結婚には未だに特別な力が宿ります。
私は妻とずっといっしょにいたいと本当に思ってしまったし13年たった今でも思っています。なぜそう思ってしまったのかも、なぜいまだにそう思い続けられるのかも全くわかりません。
この全くわけがわからないけどとにかくそう思い続けることができてしまっているということの尊さを日々感じています。
(これ以上続けるとただのノロケになるのでやめよう。)
2人で閉じてしまわない
あなたと私だけの関係のみだと遅かれ早かれ行き詰まります。
「誰か」が必要です。
二人の関係にどうやって社会性を帯びさせるかということですが、ここは様々な工夫ができると思います。
私の場合は自身がフリーランスのコード書きで妻がデザイナーだったので「いっしょに仕事もしようぜ」と約束して結婚しました。というわけで誰かの一つはお客さんなんですね。わかり易すぎました。
こんなことをつらつら考えてきたところもうひとつ私は気がついてしまったのです。この歌詞は線形代数において列ベクトルが一次独立であるとき行列式は0ではないということを説明していると。
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