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「2023年12月の珈琲 Brazil:リバースリバース」

ラジカセから流れてくる永遠に終わらないクリスマスソング。

Brazil:リバースリバース
カチャリと小さな音をたてて
A面からB面へ
リバースリバース
ラジカセから流れてくる
永遠に終わらないクリスマスソングに
ツリーのライトがリズムを添えていた
しっとりと続いていくコクと苦み

12月の珈琲のひとつは、深く苦みのあるコクを感じる珈琲にしようと思っていた。

なんの豆にしようかなと思い、選んだのはBrazil。

Brazilの中でも、ビターチョコレートのような味わいのある豆を焙煎することにした。

深く苦みのあるコクを感じるビターチョコレートだ。

深めに焙煎したBrazilを飲んだとき、その味わいに、クリスマスツリーの根元に置かれたラジカセから流れるクリスマスソングのことを思い出した。

ラジカセに入れられたカセットテープには、A面にもB面にもクリスマスソングがどっさりとダビングされている。

「カチャリ。」

小さな音が聞こえれば、カセットテープがA面からB面へとオートリーバースした証だ。

やがて、A面にはなかったクリスマスソングが聞こえはじめる。

そうして、家族と一緒に、ローストチキンやチョコレートケーキを食べている間、ライトが点滅するクリスマスツリーのそばからは、クリスマスソングがしっとりと流れ続けていた。

12月の珈琲「Brazil:リバースリバース」の深く苦みのあるコクは、そんなクリスマスの思い出を思い出す味わいだった。

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