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「2025年1月の珈琲 Peru:青春初日の出」
Peru:青春初日の出
だれかに呼ばれた気がして
まぶしさに目をほそめた
おぼろげに見えたのは
太陽が照らしだす
あの人のシルエット
波打ち際で迎えた青春初日の出
橙色した初日の出のような明るい酸味
2025年1月の珈琲「Peru:青春初日の出」は、はじめて迎えた海街の初日の出での出来事を表現した珈琲となった。
2024年の夏にこの海街に引っ越してきたから、ここで迎える元旦ははじめてだ。
大晦日、布団にはいる前に日の出の時刻を確認して、それはもうワクワクした気持ちを抱えて、瞼を閉じた。
翌朝、身支度を整え、家を出て、海への道を歩いていると、いつもより、明らかに多い人が歩いていた。
そして、海へとつづく道路には自動車が何台も走り、徐々に列をなしつつある。
海へ急ぎたい気持ちをおさえ、鎌倉高校への坂を登ると、海前の踏切にはたくさんの人がいた。
海で初日の出を迎える人がおおいことに、海街っぽさを感じた。
人がおおいとは言え、砂浜は大きいから人がごった返すことはない。
適度に距離を置き、砂浜で日の出を待っていると、まわりの声が耳に入ってきた。
「あの子、知り合い?」
「そう、高校の後輩。」
声がちょっとうれしそうだったから、そのちょっと淡いピンク色のやりとりに、わたしも高校の後輩らしき人に目を向けてしまった。
すこしずつ顔を出していた初日の出のせいでまぶしい。
目をほそめると、高校の後輩らしき人のシルエットが太陽に照らされて、おぼろげに見える。
そっか、学生は冬休みだから、親密でなければ、そうそう会う機会もないだろう。
久しぶりに会えたのが砂浜での初日の出だなんて、なんて、海街の青春っぽいんだ!
この感じを珈琲豆で表現したい。
オレンジのような明るい酸味を持つPeruなら、橙色した初日の出にもぴったりだ。
そうして、2025年1月の珈琲「Peru:青春初日の出」ができたのだった。