「1月の珈琲 Colombia:灰白そして青」
雪だ。
雪が降ってきた。
空を見上げて、手のひらを上に向けた。
Colombia:灰白そして青
手に触れた途端
消えてなくなった白い雪
頭の上には動かしようのない
灰色の厚い雲
その遥か向こう
青い空が見える
落ち着きを覆すキレのある酸味
ふわりふわりふわり。
白い雪は、まるで、たんぽぽの綿毛のように軽く見えた。
風に翻弄されながら舞う雪が手のひらに触れる。
あ、消えた。
見上げた空にのさばる灰色の雲。
どうにもこうにも動かしようがなさそうな厚い雲が、頭の上に重くのしかかる。
軽さと重さの合間を行き交っていたら、建物の隙間に、灰色の雲が白色の雲になり、青空になっていることに気がついた。
遥か向こう、今が変わる青い空が見える。
Colombiaの香りの印象は「落ち着き」。
しっとりと重みのある落ち着きを感じた。
そして、味の印象は「キレ」
キレのある酸味が香りで感じた落ち着きをガラッと覆す。
この感じはなんだろう。
そう思っていたら、見上げた冬の空に、その答えが見つかった。