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「2024年11月の珈琲 Burundi:稲村ヶ崎ビュー」

Burundi:稲村ヶ崎ビュー
自転車のペダルを踏みこむと
錆びついたチェーンが悲鳴をあげた
海沿いロードを行くクルマに
合わせたスピードももう限界
最後のひと漕ぎが風を誘って
稲村ヶ崎から由比ヶ浜への滑走が始まる
坂道をビューっと滑っていくような軽い酸味

わたしが住む腰越という海街は、すぐ隣に藤沢市の江の島があって、鎌倉市といっても西の端っこの方にある。

だから、鎌倉駅に行くには、江ノ電の駅のうち鎌倉市にある駅を順に東へ東へと向かっていく。

腰越→鎌倉高校前→七里ヶ浜→稲村ヶ崎→極楽寺→長谷→由比ヶ浜→和田塚→鎌倉

引っ越してきてすぐのころ、鎌倉駅に行くために江ノ電に乗ってみたけれど、距離的に、自転車で行ってもそう遠くはないことに気がついて、次からは自転車で行くことにした。

ちなみに、歩いても走ってもそう遠くはないから、散歩やジョギングにもちょうどいい。

我が家からは鎌倉高校から海につづく坂道を徐行運転でくだり(ここは観光客が多いのでゆっくりがベスト)、海沿いを東へと向かう。

海沿いロードは一本道でとても走りやすいし、迷いどころはまったくない。
しかも、ほぼほぼ平坦だ。

ただ、夏は日差しが強いし、最近では猛烈に吹く風に体が煽られて、それに耐えながら自転車を漕いでいると、いつの間にか、結構、体力を消耗する。

そして、そんなわたしの前に立ちはだかるのが稲村ヶ崎の切通。

これを越えないと、由比ヶ浜、そして、その先の鎌倉駅には辿り着けないという坂だ。

自転車のペダルを踏み込むと、錆びついたチェーンが悲鳴をあげる。

ここまで、海沿いロードを行く自動車に合わせて、がんがんにスピードを上げていたけれど、それももう限界に近い。

それでも、懸命に漕ぎつづけているのは、切通の先にある最高な瞬間を知っているからだ。

最後のひと漕ぎが風を誘って、切通の頂にたどり着いたことを知った。

ここからは、誰にも邪魔されない稲村ヶ崎から由比ヶ浜への滑走がはじまる。

坂道をビューっと滑っていけば、すべてがビューンと飛んでいきそうな爽快感。

しかも、目の前に広がる由比ヶ浜が美しい。

自転車の錆びついたチェーンの悲鳴も息の上がったわたしも、どこへやら、やっぱり、すべてがどこかに飛んでいった。

自転車で、由比ヶ浜を望みながら稲村ヶ崎の切通を下っていくのは最高に爽快で、めちゃくちゃ気持ちがいいのです。

この感覚を珈琲豆で表現したい。

それにはどのお豆がいい?と選んだのが、レモンキャンディーのような甘みのある酸味が特徴的なブルンジの珈琲豆でした。

生産国:ブルンジ
品種:ブルボン
精選方法:ウォッシュト
風味:レモンキャンディのような甘みのある酸味
煎り加減:中

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