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「9月の名前のない珈琲 音をうむ」

肌寒い日と暑い日が交わる時期が来た。

温かい珈琲が飲みたいと思った翌日には、冷凍庫から出してきた氷をくだき、グラスに入れて、熱い珈琲を注ぐ。

どっちつかずの毎日。

最初に9月の名前のない珈琲を飲んだ日は、温かい珈琲がおいしいと感じる日だった。
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9月の名前のない珈琲:Tanzania

タンザニアは、「人類発祥の地」と言われています。

北部にあるオルドバイ峡谷で、猿人と人類の化石の両方発見されたことから、そうなったとか。

北部には、かの有名なアフリカ最高峰キリマンジャロがそびえ立ちます。

タンザニアよりもキリマンジャロという銘柄の珈琲なら知っているという方もいらっしゃるのでは?

さて、こんなに北部のことを話しておきながら、9月の名前のない珈琲の生産地は南部です。

実は、南部は、タンザニア最大のコーヒー生産地なのです。
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あ、これは、砂糖とミルクがほしい。
一口飲んで、そう思った。

軽やかな苦味とコクが、砂糖とミルクを呼んでいる。

器が広いタイプだな。

砂糖とミルクを加えたとしても、きっと、その良さは消えない。
むしろ、新しい感覚を追加して、変わっていくことのできる器の広さだ。

例えるなら、それは、ひらがなやカタカナの濁音や半濁音に似ている。

漢字は、そのひとつで形が完成されていて、私は手を加えることはできない。

でも、ひらがなやカタカナには、「゛」や「゜」をつけることができるモノがある。

「゛」や「゜」をつけることで、新しい音を手に入れ、その幅を広げることができるモノだ。

9月の名前のない珈琲は、まさしく、そんなタイプ。

外からのモノを柔らかく受け入れ、自分に追加し、新しい音を生みだす。

うん、これだ。
この珈琲の名前は、「音をうむ」だ。

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