【短編コラム】ダニエル・マルディーニ。エンポリ×モンツァ戦の20分

73分、アッズーリの27番が3点目を決めるシーン。
それをピッチサイドでみつめるビアンコロッシの27番。

エンポリｖモンツァで一番のコントラスト。

直後、ピッチに送り出される。表情から感情はよめない。

エンポリはダヴィデ・ニコラのもと、ミドルブロックを敷きつつ、デフェンスラインを保ち、前線との距離を維持する。全員で奪い、押し上げる。

コンセプトは明確でわかりやすい。選手達に今までの迷いはない。

そこにスペーツィアで不遇な時間を過ごしたズルコフスキが加わった。
中盤で守備の厚みに一役。カウンターとなれば一気に前線に駆け上がる。

セリエA公式によると、モンツァのボール支配率は72％
ソッレンティーノは不安げ
ボンドは中盤で挽回を試みる
バプロ・マリはイラついていたし
モタは中盤に加わり、懸命にボールを運ぼうとする
しかし、ことごとくはじき返され、まきあげられる。
返す刀でカウンターにさらされる。

エンポリは、この試合で息を吹き返すだろう。
試合終了後の安堵の表情からにじむ手応え。
なによりチームの方向性が定まった。

モンツァは直近6戦で1勝のみ。
贔屓の27番はオフ・ザ・ボールの動きを繰り返し、デビュー戦で与えられた20分間、懸命に働いた。

本人はおそらくわかっている。

ー モンツァは再出発の舞台？
「僕の目標はこうだよ。できる限りチームを助けたい、だ」
ー お父さんはなんと言っていた？
「僕たちは話し合って決めたよ。
コレが僕に取ってベストな選択だってね」

次節はサッスオーロ。まずは11人の中に名を連ねる必要がある。
23ｰ24シーズンを足固めの年にするにはあまり時間は残されていない。