子供と私と麻婆豆腐。
「あ~これこれ!母さんの味だわ!!」
丸美屋の麻婆豆腐を食べたら、きっと子供たちはこんなふうに言うに違いない。
“おふくろの味” になるくらいには、日々の食卓を丸美屋の麻婆豆腐が彩っているのが、我が家だ。
少し前の土曜日。いつも土日は家にいる夫が仕事に出かけたので、いわゆるワンオペデーになった。ワンオペでどこかに出かける気力もその日はなく、一日中、家で過ごす。
ここで料理おんち主婦の困りごとといえば、そう、朝・昼・晩のごはん。
一人だったら、納豆にキムチ。味噌汁と米。うどんにもずくをかけてすする、なんならきゅうり丸ごと1本を味噌つけてかじるとかでよいのだが・・・・・・。子供がいると、そうもいかない。
お昼どきになり。いつものごとく、昼食のメニューに困ってウンウン唸る私。
「あ~、お米は炊いてあるんだよな~、おかずどうしよ・・・あ、そうだ」
・・・と、ここで登場、丸美屋の麻婆豆腐。
少しだけひき肉とネギのみじん切りを足すと、グッとおいしさ倍増だし、なんか自分で作った感がでるんだ。
子供たちも大好き。この日も、大よろこびよ。
「あっついから、いっぱいフーフーして食べなよ~!」
「あ、一味唐辛子、ちょっとかける?」
なんて話していると。
まずは、自分でフーフーできるようになって、母の手を借りずにごはんが食べられるようになってきた、次男4ちゃい。
スプーンですくった麻婆豆腐を、超いきおいよくフーフー。ぶわッッと、渾身の一撃をかまし、スプーンから麻婆豆腐が全部吹っ飛んだ。
次に、結構カラいものが食べられるようになってきて、得意になってなんでもカラくするお年頃の、長男7ちゃい。
麻婆豆腐に一味唐辛子をかけようとして、一味唐辛子が出てくるところを麻婆豆腐に突っ込んじゃってさ。
私は “ヒョエ~!!!” だの “ピギャ~!!!” だの言いながら、後処理を進める。「吹き飛ばさないように、やさしくフーフーせにゃ」だの「頭突っ込んじゃったら、使えなくなっちゃうジャン」だの、ぶつぶつ小言をいいながら。
このときに次男から「ママ、飛ばないようにやさしくって、どれくらい?やさしくて、冷たくなる?」と聞かれ、ハッとした。
そうだよな。大人はいろいろと経験してきてるから、加減できる。でも子供は経験値が少ないから、わかんないんだよね。
当たり前のことなはずなのに、すっかり忘れてしまっていた。
子供に失敗させたくないわけではないけれど、失敗したあとの片付けとか、子供本人の機嫌悪くなるとかが面倒で面倒で。割と先回りで言ってしまう・手伝ってしまう、私。あと、小言も。
この日に、心底、反省しました。
子供にとって世界はきっと、百聞は一見にしかず。
成長の芽を摘んでしまわないよう、日々の声掛けや接し方を考えていこうと思ったできごとだった。
とりあえず、ごはんフーフーの感覚、一味フリフリの感覚、ちょっとずつ練習していこうな。
あ、ちなみに、長男は一味10振りくらいして、悶絶してました。私がおいしくいただきました。
ぶち|言ノ葉執筆屋