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長く、甘いだけ

こんにちは。週末です。
昨日から心が疼いて仕方がないので、手短に吐き出していこうと思う。面接前なので。

私は自分のことを行動派だと思ってる。

行きたい場所には行く、やりたいことはやる。
会いたい人には「今度いつ空いてますか?」と率直に聞く。
気になる人の連絡先は、どうにかこうにか口実を作って聞き出してきた。

たまたま読んだ本がきっかけだった。
アホちゃん向けの分かりやすい恋愛指南書なら要らないけどなぁ、と思いながら手に取った、昔から好きだったアルファツイッタラーの本。

「電話したいと言う人より、電話されたいと願う人の方が圧倒的に多い。会いたいと言う人より、会いたいと言われたい人の方が圧倒的に多い。誘う少数派が、誘われたい多数派に絶対に勝つ。暇なのも退屈なのも、全部自分のせいにすると、解決は早くなる」(「いつか別れる。でもそれは今日ではない」より引用)

こんな単純な理屈に、高校生だった私は「そっか」と簡単に納得した。
しばらく連絡を取っていなかった友達からいきなり電話がかかってきたら、嬉しいし。
「今暇?」ってLINEが来ても、全然喜ぶし。
面倒になったら終わらせればいいだけで、
連絡したり、人と関わったりするまでのハードルは下げてナンボだと思った。

自分から行動するようにしてから、恋愛に奥手になることは殆どなくなった。

自信に溢れている男の人って案外少ないから、
“私はあなたのことが大好きで、少しでも可愛いと思ってもらえたらメチャクチャ嬉しいな!笑“ 
みたいな顔をしていれば、大抵の男の人は自己肯定感の補完先として私を選んでくれる。
これは私がモテるどうこうの話ではない。姿勢や振る舞いの問題であって、誰でもできる。
(でもこれで寄ってくる人はそういう女の子が好きなだけであって、私自身を根本から好きな訳ではないところが難点。)


中高大、の学生生活で、1人だけ絶対に振り向いてくれない男の人がいた。

彼は友達が少ない。LINEに固執しない。SNSもやってない。過去の彼女は1人だけで、フラれた時は1年も引きずっていた。大学4年間、一番と言っていいほど関わりを持ってきたのに「卒業したら疎遠になりそう笑」とサラッと言うアホンダラだ。

LINEを交換した時は、私が4人目の友達だった。両親、当時の彼女、私、というキモメンツ。
それから友達の数は増えたらしいけど、いずれアカウントを消して唐突に音信不通になると思う。そういう人なのだ。

ついこないだ、彼と2ヶ月連絡が取れなかった。携帯、ぶっ壊したらしい。こっちは心配して何度も連絡してたのに、携帯が復活してからも、彼からは何の連絡もなかった。なんて失礼な奴だ。
授業で3ヶ月半ぶりに会って、「お久しぶりです笑」と微笑まれた。当日の朝まで、マジで何考えてんの?ありえなくない?と思い続けていたのに、結局すぐに許してしまう自分が情けなかった。

「じゃあお詫びに奢るよ」と言われて、一緒に喫茶店に入って、私は一旦お手洗いに行った。
席に戻ると、彼は本を読んでいた。

私が引用した文章の、同じ作者の本だった。


あーあ、もうダメだ、と思った。
その本も作者も有名で、読んでいること自体は何の不思議もない。好きそうだし。

でも、久々に会えて嬉しくて、一人で話しすぎて少し後悔してる今この瞬間に。
マスクにリップが色移りしてしまっていたから、少しメイクを直して戻ってきた矢先に。
私が心の奥で大切にしてきた、誰にも勧めていない本を、彼が読んでいるなんて。

あーあ、もうダメだよ。


彼にとって、ちょっと可愛い女になることは出来ても、心底惚れ込む相手には絶対なれない。
私の手の内は全て知られてしまっているようなものだし、小手先のあざとさは通用しない。

私はこれから先、彼以外の人とそれなりに楽しく暮らすことは出来ても、彼のことを忘れることは出来ないだろう。

欠点だらけでも、絶対的に惹かれてしまう。
感傷に浸ることができる時間さえ、どこか甘く愛おしいのだから、救いようがない。


私は今、大学4年生だ。
卒業までの残り日数は、彼と接点がなくなるまでのカウントダウンかもしれない。

どう行動したらエンド分岐が変わるのか、日々考えていく必要がありますね。
そんなもの、最初から設定されてないかもしれないけど。

おわり。読んでくれてありがとう。

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