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公認心理師の試験を生後2か月で受けた理由

その頃ちょうど公認心理師という心理職念願の国家資格ができ、第一回目の試験が行われることになっていた。
現役で心理職として働いている人は経過措置として5年間は現任者講習会を受け試験に合格できれば資格取得できる。

私にとっての選択肢は2つ。

1. 出産後に初めての育児をしながら働きながら、試験勉強をするか?
2.妊娠中に試験勉強をして、生後2か月で試験を受けるか?

2.だと、出産後すぐに夫の協力も得ながら勉強の時間を取らなければいけくなるし、試験の時は夫に赤ちゃんを半日預けることになる。

悩みに悩み、出した結論。

赤ちゃんに訊いてみよう。


「ママ、あなたが生まれてすぐに試験受けに行ってもいいかな?」

すると、遠くに置いてた携帯から初めて聴く音が鳴った。
「ピララン」

夫と2人で顔を見合わせた。
すぐに携帯を見たが、いつもの待ち受け画面。

赤ちゃんからの返事・・・???

か、どうかはわからないけど、私たちはあの音で後押しされたのは事実。

それから、現任者講習会を申し込んだ。会場は幸い電車乗り換え1回でなんとかなりそうな距離。
安定期に入っているから大丈夫
と思っていた。

現任者講習会は4回、全て丸一日ある。
長時間の講習、トイレは大丈夫か?気分悪くなったらどうしよう?
色々不安があった。

ところが、始まってみたら講習会より、満員電車が問題だった…

インターネットでよくある、「マタニティキーホルダー」をつけた時の被害。正直怖かった。
当時は冬でダウンを着ていたこともあるが、明らかにお腹は出ていたのに、座ってる中年男性はお腹を見ると同時に眠りに入った…

満員電車が気持ち悪く、座り込むこともあった。
こういう時、誰もがわかるその時のしんどさの程度がわかるメーターがあればいいのにと思ったりした。

そこまでしんどいことをしてまで受験する必要があるのか?
と思ったりもする。
満員電車の時間に乗らなきゃ良いという人もいるだろう。
でも、その時間を乗り切れれば、早く家に帰って横になれる方がいいのではと思ったりもする。

そんな葛藤を見ていた夫はいつも怒り心頭だった。
日本人男性にジェントルマンはいないのか?
と。

ドイツでは女性が立ってるのをほぼ見たことがなかった。男性は女性が電車内に入ってくると、サッと立ち上がる。
日本ではあまり見かけない光景。
東京は妊婦に優しくない街だなと思う体験を積み重ねたのも、移住のきっかけとなった。

お腹の赤ちゃんの後押しがあって講習を受けて、
試験は産後2か月の時。

出産後から試験の時間に赤ちゃんも私も、赤ちゃんの面倒をみる夫も慣れるために、図書館で定期的に勉強した。
この試験の練習のおかげで、夫は赤ちゃんと2人の時間を過ごすことのハードルが低くなったなと思います。
早めのうちから赤ちゃんと2人になる機会をつくるのはやってよかったなと振り返って思います。

慣れない育児に腱鞘炎になり、マークシートを塗り潰す行為が上手くできない状態だったけど、とりあえず記念受験として受けました。
受験して、帰ってきた頃にはおっぱいはパンパンのカチカチになってて、急いで飲んでもらいました。

結果は。
合格💮‼️
ホントに本当に我ながらよく頑張りました。

今振り返ると、あれは3人で取った資格だったなと思います。
必死だったこともあり、一生忘れられない思い出です。

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