アリスの大きさ調べてみた
1.不思議の国のアリス
そういえば、アリスってどのくらいの大きさになったんだろう。
実家でふやけた文庫本をめくっていて、ふと思った(わたしはお風呂で不思議の国のアリスを読むのが大好きなので、湯気で本が撓っている)。
一つ一つ数字を拾ってみる。
兎穴の底の「Drink Me」で10インチ(25.4センチ)に縮み、その後の「Eat Me」で9フィート、2.72メートルに。30メートルくらいになっていたような気がしていたが、じつはそんなでもなかったようだ。
ワンワン泣いた後、原作では白ウサギが落としていった扇子で背が縮み(2フィート・60.96センチ)、ねずみや小鳥と「堂々巡り」することになる。
その後ウサギのお家で巨大化し(「部屋いっぱい」という表記)、お菓子を食べて最小の3インチ(7.62センチ)になって芋虫と出会う。
キノコを食べて“顎が足につく”ほど縮んだのち、森を見下ろすほど“首が”伸びるというシーンがある。ディズニー版ではアリスは全体的に大きくなっているが、正解だろう。女の子の胴体が極端に短くなったり、首が蛇のようにうねうね曲がったりすれば、ただでさえやや不気味なアリスが決定的にホラー化しかねない。
元の身長に戻ったのも束の間、公爵夫人のお宅に入るときには自ら22.86センチに縮み、最も有名なお茶会のシーンではすこし大きくなってまたしても2フィートほどになった、という表記がある。
最終的にお城に入るために1フィートまで縮んだのち、女王とクロケーに興じ、グリフォンとウミガメモドキと実りのない会話をしたのちに裁判所でメキメキと大きくなって目が覚めるーーというのが大まかな流れだ。
ということは、ねずみ・小鳥・三月ウサギ・帽子屋は60センチのアリスが怖くないくらい、つまり30〜40センチほどだろうか。
公爵夫人や女王はおそらく30センチ前後。「首をお刎ね!」と叫ばれても、ぎりぎり口の悪い目覚ましくらいに思えそうだ。
あらためて並べてみると、実は彼女が思ったより小さな世界を彷徨っていたことがわかる。
イッツ ア スモール ワンダーランド。