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静かな、だけど安心な


電車の中では川上未映子の「魔法飛行」を、家では二階堂奥歯の「八本脚の蝶」を読んでいる。
語り口というか信念というか、なにか共通してるものがあるなあ、と思う。美しいものへの意識の度合いかもしれない。
くるくると落ち葉がまわるように、鮮やかな動きの言葉の羅列を見ていると、現実から離れた場所へ思考が飛んでいく。

本を選ぶ時、ストーリーの展開よりも、作者の言葉選びを大事にしている気がする。無駄がなくて、夢中になってしまうような、冷静で甘い文体が好き。

朝起きたら頭が痛かったので鎮痛剤を飲んだら、ものもらいみたいな右目の痛みも消えた気がして嬉しい。
大きな音で音楽を聴きすぎて、イヤホンを外すと世界はこんなに静かだったのか、と思う。


少し前、自分のことを話すと嫌われちゃう気がして怖いんです、とある人に話したら、むしろ好かれると思うよ、と言われたことを思い出す。
1人で話し出すことはいつだってこわい。こわいのに、こんなふうに思ったことをそのまま、日記に書いて公開している。

平気になればいいなと思う。いろんなことが。でも、数年前のわたしよりはなんだか強くなれている気もしている。

やっと10月がきて、安心している。

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