捜索は終了しました。

スペースワールドがあった広大な敷地には、ボーリングを済ませた重機が立ち並んでいた。
正確にいつ取り壊され始めたのか僕は知らない。
女性の悲鳴とセットになった、巨大なハサミに掴まれたスペースシャトルの耐熱シールドが、ミシミシ剥がれハラハラと地面に降っていく光景はTwitterのTL上で何度も流れてきたので記憶に焼き付いてはいるんだけれど、年日を覚えるのが苦手な為にそれがいつだったのかあやふやだ。
関東に行く姪を見送った頃だったかもしれないし、関東に行くのが決まった姪と色んな所に出かけていた頃かもしれない。
いや、まだ姪が関東に行くなんて思ってもいない頃だったかもしれない。
振り返ると姪との記憶が強すぎて、ちっともスペースワールド崩壊の時期を思い出せないな。
いつかの少し未来、ふと姪の引越しを思い出した時、偶に付随してくる「ああそういえばスペースワールドの取り壊しもあの頃だった」なる記憶は事実と大きく離れているだろう。
ある時の僕にとっては、姪が旅立つ日に耐熱シールドが剥がれ落ち。また別の時の僕にとっては引っ越す姪との思い出づくりの日々に差し込んだ一瞬の面白映像で、引越しというワードに付随しないかも知れない。
記憶は本当に曖昧で、振り返る度姿を変える。それはまるで過去のパラレルワールドをいくつも作っては渡り歩くようだ。
そこに取り残してしまった人達もいるのかもしれないなと、時たま感傷に浸る。まぁ、いたところで最早パラレルワールドの住人になってしまうわけだから出会えることはないのだ。
これから姪と記憶を共有すれば共有する程、沢山のパラレルワールドが産まれていくかもしれない。
僕はその世界を越えて、どうやって姪に会いに行くだろう。世界の境界は耐熱シールド付きのスペースシャトルがあれば突破できますか？重機のハサミで切り剥がせますか？
別の世界の姪と楽しくやっているかもしれないけれどね。
なんか、姪の話しかしてないけれどスペースワールドの近くで、記憶にまつわる世界の認識について公演します？僕は忘れっぽいもんだから、なんだかこの記憶にも自信がなくなってきちゃったな。
スペースワールドが無くなったのはいつだったかしら。

○演目：「捜索は終了しました」
〇会場：枝光本町商店街アイアンシアター
〇日時：2019年6月14日(金)～16日(日)　
14日(金) 19:30
15日(土) 14:00／18:30
16日(日) 14:00
※受付会場は開演の60分前、開場は開演の30分前を予定しています。
〇脚本：田坂哲郎
〇演出：木村佳南子
〇出演：田坂哲郎／ぽち／ケニー／成清暁子／根岸美利／中島伊織／にしむらまなみ／長野哲也／青野大輔

* ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ *
〇チケット(全席自由／日時指定)
一般前売：2,500円（当日500円増）
学生前売：1,500円（当日500円増）

※小学生以上有料、未就学のお子様のご入場はお断り致します。何卒ご了承ください。
 
〇チケット取扱
劇団HP内予約フォーム
https://my.formman.com/form/pc/vy0Tu8aKtLP8KxBy/

* ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ *

 〇STAFF
演出部：内田龍太郎／長野哲也
制作：中園祐希／長野哲也／南恵理（フリー）
宣伝美術：スバラボ

* ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ *

○アイアンシアターへのアクセス
■JRで来られる場合
◎「枝光駅」から徒歩10分
◎「スペースワールド駅」から徒歩15分
※小倉駅から枝光駅は、鹿児島本線の八代方面行きで約10分かかります。
※博多駅から小倉駅は、新幹線のぞみ(約16分)、特急ソニック(約41分)が便利です。
 
■車で来られる場合
※アイアンシアターには駐車場がございません。
お車でいらっしゃる際は枝光駅付近のコインパーキングにご駐車いただいたのちに徒歩での移動となります。
◎小倉駅付近から約30分
◎福岡市街から約1時間
(九州自動車道・北九州高速「枝光IC」下車）中国自動車道「下関IC」より車で約15分（下関市街方面へ。「関門トンネル」からも同様）

 * ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ *
〇問合せ
Web：http://www.hiurevi.com/
TEL：080-3986-0864(劇団携帯)
MAIL：hi.uresenkei.venus@gmail.com
 
主催　非・売れ線系ビーナス
提携　枝光本町商店街アイアンシアター
公益財団法人福岡県教育文化奨学財団助成事業