Bon Iver の『Bon Iver』を聴いてみた編
こんばんは、内山結愛です。
Pitchforkの年間一位を取ったアルバム縛り編!
今回は Bon Iver の『Bon Iver』(←2011年一位)を聴いてみた編をお届けします。
神々しく繊細なファルセット、ダイナミックかつ丁寧に生命力を溢れさせる演奏。
浮かび上がる北国の情景、冬の静寂と冷たさが感じられる一枚。
ぜひ、読んでみて聴いてみてください!
1. Perth
えぇ……柔らかでエモーショナルな美しいギターの音、フレーズ、好きすぎる。0:48〜早速冬を感じる。冬の優しい光みたいな歌声。マーチング的なスネアの音。1:58〜寒さと冬の静けさ。その中で植物たちから滲み出る生命力みたいなものを感じる。2:37〜凄い…格好良い!!力強く生命力が躍動している。音で、こんなにも北欧の冬を映し出せてしまうことに感動。見える…見えるぞ…!!!
2.Minnesota, WI
繋がって始まる。それぞれの楽器が、それぞれ自分の世界に入ってフレーズを奏でているようで、しっかり全体が噛み合っている。0:34〜一瞬の雨?0:55〜サックス鳴って、突然夢の世界に飛ぶ展開、読めなすぎて面白い。幻想的。美しく混沌。歌声がGOD。1:43〜ギターのアルペジオが健康に良さそうな音色をしている。オーガニック。ひたすら繰り返している。2:36〜ブリブリに歪んだベースの存在感。アイデアが尽きないな。
3.Holocene
アルバムジャケットから勝手に想像していた音世界と、イントロから鳴るギターのアルペジオが映し出す景色が一致している。冬いな。真夏に聴いてるから、冬が恋しくて堪らなくなる。2:06〜ファルセットが雪。真っ白。美しいな。雪みたいに触れたら消えてしまいそう…。ドラムが草らしい音を出しているけど、このバサバサ感どうやってるんだろう。終盤のささやかな祝福感、涙が出そうなほど美しい。歌詞の言葉選びも美しいな…
4.Towers
ここまで奏でられているギターのフレーズ、全部好きだ…。ファルセットの神々しさ、眩しい。地声とか普通の話し声聞いてみたい。1:53〜優しい多幸感に包まれていたところから、グングンと推進力を持って進んでいく展開。色んな冬に連れて行ってくれる。
5.Michicant
うわぁ…何の音なんだ…?水っぽいギター。この曲は一段と冷え込む。凍えた体とか暖炉とかそういうシーンが見える。1:40〜ずっと耳からしか情報を得てないのに、映画観ているみたい。寒い。歌声が一段と冬すぎる。効果音の入ってくるタイミング、間に繊細なこだわりを感じる。音の隙間にずっとグッときてる。
6.Hinnom, TX
音が震えて響き渡っている。夢の中みたい。どの曲も美しいけど、冬の何とも言えない鬱々とした感じ(日照時間の短さとか)もちゃんと表現されているようで、よりリアルに冬を感じる。0:47〜久しぶりの地声。後ろの方でややノイズがブチブチしている。1:20〜ハッピーだけどハッピーすぎないバランス。ノイズが不穏。ピアノ綺麗…最後やっぱり不穏。
7.Wash.
ピアノ、祈りたくなる。真っ白な雪。踏みたくない。繰り返されるピアノのフレーズが、優しく光っている。これまた冬すぎる。1:11〜ここからめっちゃ寒い。1:23〜ストリングスめっちゃ寒い。美しい。寒さと美しさが押し寄せてくる。1:55〜ファルセットとコーラスでさらに気合を入れて温度を下げてくる。ビートとかがなく、ずっと冬の静けさがある。3:31〜ビート無いって思ってたけど、鼓動のような音が聞こえるような気がする。幻聴かもしれない。サウンドの緻密な作り込み。終わってからの無音の時間が長いの意味がありそう。
8.Calgary
無音の時間が長いお陰で、入ってきた幻想的なシンセとファルセットの神々しさが増していた。この曲だけ過去…ひと昔前な感じ。時には時代をも超えてしまうのか。1:16〜ゾクゾクする音の入り。空間の広がり。キラキラな冬。2:23〜ノイジーなパート好き。ノイズの扱い方が不穏に上品。3:29〜音数が減って神々しい歌声がより際立つ。
9.Lisbon, OH
冬の宇宙。引き伸ばされるような音に重力が奪われていく。次の曲へ繋げていくために必要不可欠な約1分半。
10.Beth/Rest
予想外のメロディとサウンドが飛び込んできた。ポップ。徳永英明さんの「レイニーブルー」とか始まりそうな雰囲気があった。都会のネオンが思い浮かんじゃう。ひたすら美しい。ギターの音がロマンチック。2:31〜切ないくて美しくて、静かで、でも華やかで…泣きそうになる。ここからの展開の運びが好き。音の鳴らす、鳴らさない、バランスかずっと神がかっている…ハァ…美。
Bon Iverは、2006年にアメリカ北部のウィスコンシン州出身のJustin Vernonを中心として結成された。本作は2011年にリリースされた2ndアルバム。ウィスコンシン州フォールクリークのApril Base Studiosで3年間にわたり録音され、ミックスされた。
Bon Iverという言葉には“良い冬”という意味があるとか…!
冬、ガチで好きなんですね。内山も冬が大好き。
↓おまけ
このアルバム、終始冬の冷たさとか、静寂とか、ほんのり温かで生命力がある感じとか…本当に寒くて、冬の全てがありました。
でも、そんな本作は彼女に振られて、バンドも解散、レコード契約も失って…山小屋で基本的にアコギ1本で作られたそう。
あまりにもストイックな冬。あの冬サウンドは、孤独が故の寒さですか…?
美しすぎるファルセットも胸が苦しい。
ダイナミックになったり繊細になったり、音を鳴らしたり、空白を作ったり…という駆け引きも的確というか、そのセンスが眩しかったです。
今はあまりにも暑すぎるので、冬に聴き直したい…!!!!
次回もPitchforkの年間一位を取ったアルバム縛り編!
次回は Sufjan Stevens の『Illinoise』(←2005年一位)を聴いてみた編をお届けする予定です。
最後まで読んでくださり、有難うございました。