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Into It. Over It. の『Standards』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

Midwest emoシリーズ!

今回は Into It. Over It. の『Standards』を聴いてみた編をお届けします。

優しく温かなギター、深く沁み入る繊細で美しい歌声、青春時代に思いを巡らせる歌詞。

珠玉のメロディが楽しめる、アイデアに富んだ一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

刺繍みたいなデザインだったから
針と糸を持ってみちゃった内山

1.Open Casket

映画が始まりそうな、時間軸がいじられてそうな奇妙な音。0:20〜アコギと日向みたいな歌声。カントリーな雰囲気。丸みのあるピアノがささやかに彩っていく。ドラムも入ってくる。「灯油のように20代を焦がす」って歌詞の表現いいな。ピアノとアコギの絡み合いが切ない。青春への追悼を歌っているんだとか。このMidwest emoシリーズで、歌詞の意味がしっかりわかるの初めてくらいじゃないか…!?2:49〜ノイジーで不穏な音で終わっていく。

2.Closing Argument

歌声が常に二重になっていて存在感がある。爽やかで快晴。ギターのメロディが繊細で美しい。これまで聴いたMidwest emoシリーズただと、衝動的な演奏や声を裏返しながら感情的に歌うバンドが多かったから、細部までコントロールの効いた演奏やピッチが正確なボーカルが新鮮に思える。1:44〜メロディはキャッチーだけどリズム結構複雑。切なくなればなるほどメロディが美しくなる…それは困ります…

3.No EQ

ノイジーなギターから小気味良いドラムが疾走しながら入ってくる最高のイントロ。1:04〜ドストライク好きメロディ来て耳と目かっぴらき。青春に思いを馳せ、変わっていく自分の思考や肉体について歌っている。2:34〜シリアスに、熱を上げて走り抜けていく展開が高まる。展開の静と動の切り替えが圧巻…!

4.Vis Major

繊細で丁寧な一面を見ることが多かったから、こんなアッパーな曲があるなんて驚いた。明るめな歌詞かと思ったらすごくイライラしていて良かった。めちゃくちゃ好き。ギターの掛け合いも涼しげで朝方っぽくもあり、夕方っぽくある。2:30〜ドラムがアグレッシブで気持ち良い。呼応するように歌声もエネルギッシュになっていって眩しい。

5.Your Lasting Image

長い静寂からじわじわ音が広がって染み渡っていく。ギターの音で桃源郷が見える。幻想的でこの世のものとは思えない美しさ。本当に歌声が魅力的。emoに歌唱力は関係ないと自分は思っているけど、こうしっとりじっくり聴くとやっぱりめちゃくちゃ歌がお上手だ…。バラード映えする。愛する人たちとの疎遠について歌っていて胸が苦しい。

6.Old Lace & Ivory

繋がって始まる。アコギの繰り返すフレーズが頭の中で優しく響く。声が…良い…語りかけるように歌われると浸透具合が比にならない。0:54〜神々しいコーラス…油断するとすぐこの世から離れてしまう。2:10〜無機質なビートが入ってくるのオシャレ。体温のある生楽器と無機質な電子音の組み合わせ好き。終盤のドラマチックな展開に胸がときめきすぎて、プリンセスになっちゃう。

7.Adult Contempt

イントロからドラムが格好良すぎる。圧倒的存在感。ポップでキャッチー。曲調のハッピーオーラでリズムの複雑さをあんまり感じさせないけど、凄いことが起こっている。1:19〜ここの情緒好き。ギターが甘い音を出している。終始先頭を切ってリードしていくドラムが格好良い。2:49〜穏やかだけどメラメラ。実は高速ドラム。歌詞は結構シリアスだし、なんなら怖くて曲調とのギャップにやられた。

8.Required Reading

悲しげで美しいピアノの音。全楽器の音の刻み方が気持ち良い。Into It. Over Itはしれっとテクニカルなことをやる…そんな人たちのこと……大好き。涼しい顔をして演奏していそう。2:09〜オーガニック。森の大自然に囲まれて聴けたらいいのに

9.Bible Black

電子音が時空を歪ませるし、神々しい。0:32歌声が本当に素敵。1:47〜体が空いちゃうかと思った。中盤あたり、突如楽器たちの自由度が上がって、なんならノイジーな時ある。ドラム的な音がお茶目。子供が喜びそうな音。毎日アパートで停電している歌詞が耳に残る。

10.Who You Are ≠ Where You Are

ギターの音が多彩。リズムのバリエーションも豊か。アイデアで溢れてる。0:46〜ここのメロディ、ドラムの複雑さ好き。2:05〜ベース格好良い…。ノイジーなエレキギターの音も素敵。2:38〜こういう叫び方するの新鮮な気がする。ロックスター!

11.Anesthetic

楽器の音みたいなハミングか、ハミングみたいな楽器の音。ストリングスなのか、人の声なのか。ここは何処なのか。色んな聴いたことない音が沢山聞こえて、色んな風景が浮かんでくる。ひたすら美しい。

12.The Circle Of The Same Ideas

アコギと歌声さえあればもう何もいらないなんて思っちゃうくらい歌声が素敵。一定のリズムで小刻みに刻まれ続けるアコギ。1:35〜グッとくるGOODポイント。内省的な詞世界もまたグッとくる。強弱の表現が巧み。歌声の感情の乗せ方も巧み…

真ん中がくり抜かれた見開きのジャケット仕様!
装丁も素敵〜!

Into It. Over Itは2007年にアメリカでEvan Thomasのソロプロジェクトとして結成されたロックバンド。2010年代のemoリバイバルシーンで代表的なバンドとして走り続けている。現時点のメンバーはEvan Thomas Weiss(Vo.、G、B)、Matt Frank(B)、Joe George(G)、Adam Beck(D)。本作は2016年にリリースされた3ndアルバム。


Evan Thomasが初めて触れたemoはSunny Day Real Estateだそうで……最高。

内山もSunny Day Real Estate、だ〜いすき。

大好きなのにいつも「Sunny Day Real Estate」という単語が何処かへ行ってしまうんだよな…

英語のバンド名本当に覚えられないんですけど、みんなどうやって覚えてますか…!?!

今回は『52 Weeks』というアルバムと悩んだのですが、あまりにもそのアルバムの内容が濃すぎて…!

なんと、1年間毎週1曲を書いて、レコーディングをして、リリースして、後にコンピレーションとしてリリースされたアルバムが『52 Weeks』!

こんなこと誰にも真似できないと思う。そのストイックさ、尊敬します。

こちらもじっくり聴こうと思います!!

まだまだMidwest emoシリーズ!この度は順序の入れ替え、失礼いたしました!!!

今度こそ!

次回はSnowing の『I Could Do Whatever I Wanted If I Wanted』を聴いてみた編をお届けする予定です。

お楽しみに!

最後まで読んでくださり、有難うございました。


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内山 結愛
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