Mineral の 『The Power of Failing』を聴いてみた編
こんばんは、内山結愛です。
今回は Mineral の 『The Power of Failing』を聴いてみた編をお届けします。
感情の激流を余すことなく音に乗せ、掻き鳴らされる轟音に合わせ、咽び泣くようなボーカル。
エモーショナルでハードコアなサウンドが、静かに深く心に染み渡る一枚です。
是非読んでみて、聴いてみて下さい!
1.Five, Eight And Ten
優しいギターのアルペジオ。泣き出しそうに喉を詰めたような歌い方。メロディーがとにかく美しいくて苦しい。1:05〜荒々しさも残し、加速する。2:12〜歌の抑揚とギターの強弱が感動的。3:09〜好き…ジャリジャリで1音1音が粗い。ここからの展開が神がかってる。泣き出しそうな歌と叫びが胸を打つ。余韻。
2.Gloria
目の前でライブが始まったような臨場感がある。灰色でドラマチックなイントロ。蠢くギターが何処か寂しげで迷いのある雰囲気を作り上げる。サビで感情がドバドバに溢れて、エモーショナル。感情が昂り叫ぶ。間奏のギターが滅茶苦茶に格好良い。
3.Slower
ローファイチックな籠った音。ギターがガンガンにノイジー。急に消えたり出てきたり、隠れんぼしている。美しいメロディーとその後ろで掻き鳴らされるノイジーなギター、という構造にめっぽう弱い…。ベースが地響きしている。ゆったりだけど激しい。4:30〜落ち着いたかと思えば、ギターとベースで大盛り上がりして気持ち良くなる。スパッと音が消えて潔く終わる。
4.Dolorosa
バックの演奏は決して暗くはないのに、ボーカルが入ると鬱々とした寂しげなメロディーに聴こえる。仄かな希望。ネガティブな部分に優しく寄り添い、ただ隣に居てくれる感じ。3:05〜演奏は激しくなり、ボーカルは悲痛の叫び。3:55〜高音で鳴るギターとボーカルのコンビネーションで、目頭が熱くなるというより燃える。
5.80-37
疾走感。暗くて明るい不思議な温度感。1:05〜噛み合ってるようで噛み合ってなかった色んな要素が、ここでまとまりスッキリする。2:43〜ドラムが気持ち良い。時に情けなくも聴こえるボーカルに、心揺さぶられ続ける。
6.If I Could
内省的。あまり思い出したくない過去の思い出を振り返ってる時の気持ちになるイントロ。その感傷的な雰囲気に、また胸が締め付けられる。3:40〜音の壁で囲まれるような感覚。4:32〜ここまでわかりやすい盛り上がりはなかったものの、ダイナミックな展開に惹き込まれる。
7.July
これまでの曲より少しだけ天気が良さそうな音色。ジワジワとした盛り上がり。1:18〜掻き鳴らされる轟音に負けないようにと、ただただ必死に歌っているようなボーカル。2:35〜繊細に動き回るギターのメロディーラインが美しい。3:12〜凄く良い…凄く良い…。耳から離れないギターフレーズ。
8.Silver
ドラムロールからこんなにメロディアスな演奏が始まるなんて…。開始30秒でとろけ始める。心地良いスローテンポ。心地良い低音の地響き。ボーカルのロングトーンにひたすら揺蕩っていたい。5:40〜容赦なく降り注ぐ轟音ギター。どの曲も心の弱いところに突き刺さってくる。
9.Take The Picture Now
苦しみや辛さを味わったからこその優しさみたいな。1:11〜音が堪らなく優しい。声が裏返ろうが何だろうが、感情の激流を余すことなく音に乗せる。希望のある終わり方。
10.Parking Lot
ぼんやりと晴れやか。いつにも増して声を震わせている気がする。少しの間奏でさえ抜かりなくドラマチックで頭を抱える。2:53〜テンポがだんだんと良くなって、そこにジャギジャギギターと感情的なボーカルが乗っかり短く儚く盛り上がる。
Mineral は1994年にテキサス州ヒューストンで結成。約4年の短い活動期間ながら、1990年代のエモ・シーンを牽引したバンド。2014年5月に突如再結成を発表。ジャンルとしては、エモ、ポスト・ハードコア、インディー・ロックなど。
どの曲も心の弱いところに突き刺さってくるな〜!どの曲もずるいのですが、特に「Silver」にやられた…。
色々な方のレビューを拝見したのですが、「痛々しい」という言葉がよく使われていて、それだ…!!と思いました。
痛々しい歌声にやられて、聴き手のこちら側も聴き終わる頃にはズタボロでした。
次回は The Get Up kids の『Something to Write Home About』を聴いてみた編をお届けします。お楽しみに!
最後まで読んで下さり有難う御座いました。