Cap'n Jazz の『Analphabetapolothology』を聴いてみた編
こんばんは、内山結愛です。
Midwest emoシリーズ!
今回は Cap'n Jazz の『Analphabetapolothology』を聴いてみた編をお届けします。
荒削りの演奏から溢れて止まらない熱量と衝動、時に声を裏返しながら激しく歌い叫ぶ愛らしいボーカル。
EMOシーンに多大な影響を与えた、EMOの原点的一枚です。
ぜひ、読んでみて聴いてみてください!
Disc1
1.Little League
どんどん近づいてくる…爽やかな、でもちょっと汗の匂いがする青春の風が…。「Hey」一緒に叫びたい。演奏のリズムやボーカル音程がガタつきながらも「今」が伝わってくるような熱量がある。ギターの歪み具合も好き。1:50〜どうやったらこんな頼りない発声ができるの…同じ箇所で毎回声が裏返る。切なげアルペジオと絡まって胸が締め付けられる。3:00〜急にブッ叫びまくってハードコアスイッチ入るの格好良い。悲痛な破壊衝動。誰にも止められない。ハァ…好き…
2.Oh Messy Life
絡み合うというか、演奏が常にもつれ気味なのが愛おしい。イントロの2本のギターのクリーントーンが眩しい。静かな序盤からサビで大爆発して爆音になるの、感謝。1:21〜大混乱した子供が「ママ゛!!!ママ゛」って叫んでいるみたいで良い。急に終わる。歌詞抽象的で不思議。
3.Puddle Splashers
歌声が凄く若い…キンセラ兄弟でボーカルのTimは19歳だから(ドラムのMikeは16歳…!?)それはそうなんだけど、瑞々しすぎる。眩しい。0:23〜助走なく「アァ゛ーーーー!!!!!」って絶叫するのなんて若さでしかない。歌詞も悶々としている。そこから演奏もエンジン全開で豪快に疾走していく展開超格好良い。
4.Flashpoint: Catheter
序盤の静けさが爆発の伏線か…。静かな中、ハスキーで狼みたいな歌声が寂しく、青々と響いている。1:32〜来るぞ感にゾクゾクする。喉潰れそうなくらい全身全霊で歌っている声を聴くと泣きそうになる。2:30〜ドラムのドコドコ感格好良い。雄叫びと共に盛り上がっていく演奏、厚みや一体感を増していくサウンド、良い…
5.In The Clear
ドカドカドカと勢いよく始まった瞬間からテンションがトップの状態。曲順通りにRECされた訳じゃないのに、聴き進めるたび歌声がガラガラになっている気がする。魂燃やしている。0:55〜遠くの方で絶叫しているのが格好良い。この曲ライブでやったらずっとシンガロング起きてそう。
6.Yes, I am Talking To You
変拍子チックでシリアスな雰囲気がゾクッとする。研ぎ澄まされている。緻密さよりも上回る熱量に泣ける。1:25〜情けない歌声(守りたい)の後に入ってくるゴリゴリのギターリフが格好良い。その後のポエトリー的なパートもクール。
7.Basil's Kite
繰り返されるジャリついたギターのフレーズ。0:25〜ドラムインする瞬間がイケてる。体温が手に取るように感じられるような一体感のある演奏が好きすぎる。1:52〜まさかのトランペット…!?アメフトでもそういう曲あったな。後半のボーカルのテンション凄まじい。やっぱり歌詞の世界観が独特。
8.Bluegrassish
静かにメラメラと燃える感じのイントロ。細かく弾かれるギターが揺らめく炎みたい。このままフラメンコとか始まっても良い。
9.Planet Shhh
ジリジリとこれから何か起きそうな予感を抱かせるイントロ、好き。音程とかよりも大事なものがあると気付かされる歌声、好き。1:02〜凄くクセのある歌い方をしていて、何度も聴き返してしまう。ちょっとラップみたい。2:00〜静と動の切り替えで心が揺さぶられまくる。静かな演奏で例のクセのある歌い方を楽しめて嬉しかった…
10.The Sands've Turned Purple
哀愁、夕暮れイントロ嬉しい。吠え方がいつも良い。0:30〜ドッシャンガッシャン大暴れ演奏が格好良すぎてガッツポーズ。盛り上げる時の爆発力、このテンションの切り替え、指揮者でも居るのかというくらい一体感があって感動する。1:50〜喉からそろそろ血が出てしまうと思う。守りたい。油断してたら最後の最後にまた良い静と動の切り替えポイントがあってズタズタになった。
11.Precious
ポストロック的なアプローチを感じる。0:20〜何度聴いても味が出る。美味しすぎる。これは美味ペジオ(…我慢してたけど今回もアルペジオを食べ、褒めてしまいました)。「And a bloody tongued cat lick ticking the lil' piggy peeping out of」という歌詞怖くて凄い。
12.Que Suerte!
イントロからエネルギーぶちまけまくり。一瞬ハードコア版ヨーロレイヒ的な(そんなものはない)裏返り方をする歌唱の仕方、自分も習得してみたい。読み解くのが難しい歌詞、どんな気持ちの入れ方したらこの熱量で歌い上げることができるのか。声の裏返りすらも眩しい。
↓ここからはボーナストラックやコンピの音源
13.Take On Me
a-haのカバー。有名すぎて原曲も流石に知っていた。Cap'n Jazzがやるとこんなにも眩しくて、情けなくて、青くて、若くて…全く違う曲みたいで面白い。とにかく勢いが凄い。1:40〜ピアノが転げまわっているし、後ろの方で結構咳き込んでいる人も居たりして、カオス。絶叫。絶叫。
14.Tokyo
Tokyo…って東京!?!!嬉しい!!!!凄い!でもなんか歌詞凄いこと書いてある気がする!!!!音数も少なく、削ぎ落とされまくっている。ほぼ語りの割合の方が多い。2:00〜思い悩んでいそう。歌声の情けなさレベルがかなり高い。2:55〜演奏ジワジワ盛り上がって来るぞ…と思いきや来ないで凄く静かに終わっていく。
15.Ooh Do I Love You
「Tokyo」からの反動が凄い。第一声から勢いと熱量、若さがドシャドシャに降り注いでくる。1:20〜ブン殴りドラム。もはやヤケクソみたいな時ある。1:50〜マイクに入りきってない声が乗りがち。一瞬裏側が垣間見られるような、ドキュメンタリー見てる気持ちになってラッキー。
16.Hey Ma, Do I Hafta Choke On These
ハーモニカとか吹かれたら、切な夕暮れすぎる。1人でトボトボ帰りたい。終始脱力していてダウナーなテンションのボーカル。
17.Forget Who We Are
ラストライブの音源。このドラムどこかで聴いたことある気がする。凄く楽しそうに演奏するし、歌うし、「もうみんなずっと仲良しで居てよね…泣」って気持ちになる。
18.Olerud
お客さんの声とかMCとか聞けるのライブの「生」のテンション感が味わえていいな…なんて思っていたら、前の曲と続いて披露されたらしく繋がって始まった。ライブもボーカルの叫び歌いっぷり凄まじいけど、REC音源の歌声(演奏も)にも変わらぬ熱量を乗せられる凄さに気づいてしまった。ライブハウスでもなく、お客さんも居ない、レコーディングでの「ライブのように歌って〜」って意外と難しいから…(内山体験談)。
Disc2はシングル・レアトラック集
Cap'n Jazzは1989年に結成されたアメリカのバンド。メンバーはTim Kinsella (Vo.)、Mike Kinsella (Dr)、Victor Villareal (G)、Samuel Zurick (B)、Davey vonVohen (G)の5人。本作は1998年にリリースされた全音源のコンプリート盤。
Cap'n Jazzが母体となって、その派生した多くのバンドがいくつもの名盤をemoシーンに残していて…Cap'n Jazzはまさにemoの原点的存在なのです。
前回レビューしたAmerican Footballでも話題に出たキンセラ兄弟ですが、収録された楽曲の当時の年齢がTimは19歳でMikeは16歳……みずみずしすぎる…泣
叫び散らかすTimのボーカル、若くて、エネルギーがビシャビシャで熱かったなぁ。
もたつきながらも全力で疾走して、時にポストロック的な緻密なフレーズも織り交ぜて空気を引き締めるような、そんなメリハリと駆け引きが格好良くて気持ち良かったです。
歌詞の世界観が本当に気になる。誰か考察して紐解いてほしい。
そういえば!内山emoを掘るのはこれが初めてではないのです!
↓ぜひ、こちらも併せてお楽しみください…♡
次回もMidwest emoシリーズ!
次回は The Promise Ring の『Nothing Feels Good』を聴いてみた編をお届けする予定です。
お楽しみに!
最後まで読んでくださり、有難うございました。
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