初心者のための牌効率

牌効率とは、どの牌を打牌するのがより早く聴牌するのに有効か?という目線での能率のことです。

もちろん早く聴牌したら早く和了がりたいので、聴牌時の待ちが広いことも大切です。

これらのことを対戦中にいちいち考えてはいられないので、あらかじめ考えられた答えを暗記してしまうのが正解です。具体的には連続形フォロー牌暗刻ヘッドレスといったパターンを覚えればよいです。

ところで牌効率というと、メンゼン清一色聴牌で何を切るかという問題で鍛えるという人がいますが、悠長に清一色をメンゼンで手作りできることは稀です。稀なケースに強くなっても勝率はほんの少ししか上がりません・・・。すでに牌効率に強くなった人が腕試しに使うのはいいかもしれませんが。練習としては、チンイツ何鳴く?問題のほうが大分実践的ではないでしょうか?

◎フォロー牌とは

他のターツや面子と絡むことで、待ちを広げたり変化を可能とする牌のことです。

・ターツ+フォロー牌(🀝🀝🀞,🀝🀝🀟, 🀠🀡🀡)

ターツにフォロー牌が付く例としては、両面ターツ56に5がついて556、嵌張ターツ57に5がついて557などがあります。フォロー牌があることで、待ち牌🀝が加わって暗刻🀝🀝🀝としても面子が完成できるようになり、また単に牌 (🀞,🀟) を落として対子🀝🀝をつくり雀頭とすることもできます。もちろんフォローを外して56, 57に戻すこともできます。

556という形について、両面ターツ56が対子55ともとれるように5(🀝)がフォローしているという考えで説明しましたが、もちろん対子55が両面ターツ56ともとれるように6(🀞)がフォローしていると考えることもできます。この考えは対々和を狙っているときに有効で、途中でカンドラが乗ったりしたときに役牌・タンヤオのみでの早和了がりに切り替えられます。

両面78に5がついて578(🀝🀟🀠)というパターンもフォロー牌と呼ぶ場合もあります。このパターンのフォロー牌は比較的効果が低いのでここでは置いておきます。

・順子+フォロー牌(🀑🀓🀔🀕, 🀓🀔🀕🀖, 🀓🀔🀔🀕)

順子456に2がついて2456となるパターンです。また、中膨れ形4556や4連続形4567も順子456にフォロー牌5, 7がついている形と考えることができます。

フォロー牌により、順子をターツ二つ(🀑🀓+🀔🀕)としてみることができるようになります。ターツ二つとして扱い手が進んだ場合、2456や3456からは待ちの広い3面張聴牌(23456)となりやすく、4556からは高目一盃口聴牌(45566)となりやすいです。

・刻子+フォロー牌(🀔🀔🀔🀕, 🀔🀔🀔🀖)

刻子555に6や7がついて5556, 5557となるパターンがあります。暗刻+フォロー牌の形は、対子+両面ターツ(55+56)、対子+嵌張ターツ(55+57)としてみることができます。

◎聴牌形

ロン和了のある聴牌の待ちの良さは、他家がどの牌を打牌しそうかどうか?という手牌読み、人読みの要素が強いので、牌効率的な待ち牌の枚数の計算だけでは測りかねるところがあります。一般的には不要牌となりやすい1, 2, 8, 9や字牌を待ち牌とする方が和了がりやすいとされています。

高度な話題になりますが、ロンしやすい牌については以下の記事もご覧ください。

両面待ち

両面待ちの8枚の待ち牌のうち、一枚以上をすでに自分で使っている場合は亜両面と呼びます。しかし、亜両面か両面かという点で待ちを比較することはあまりないです。

シャンポン待ち

筋牌による読みができない、二種の牌で待つことができます。役牌対子二種類でのシャンポン待ち(🀄🀄🀅🀅)なら、役牌以外を先に鳴いていても片和了(待ち牌の一方のみが和了条件を満たす聴牌形)にならないので、振聴をさけることができます。

・嵌張待ち、辺張待ち

この待ちの場合、黙聴として両面待ちへの変化を待つという場合もありますが、一般的には役無しの場合は聴牌即リーチの方が和了がりやすいようです。役無しでも和了れる門前自摸のみを考えた場合には、好形への変化が可能なほうがもちろん和了がりやすいです。

単騎待ち

単騎待ちでは、聴牌を維持したまま待ち牌を次々と入れ替えることができます。他家が切りやすいことから、遅い巡目で聴牌したときは敢えて残り一枚の牌(多くは字牌)で待つ地獄単騎という戦術も比較的よくみられます。

七対子ドラ1をどの待ちでいつリーチするか?はよくある答えのない議論ですが、巡目が遅くなると現物切りで躱されやすいという点も考慮して早めにリーチするのが良いのではないでしょうか。

◎多面聴牌複合形)

多面張とは3種類以上の牌で和了がりとなる聴牌のことです。暗刻は雀頭になる可能性があるということと、順子がくっつくと待ちが広がるということを覚えればよいです。

両面三面張 (🀑🀒🀓🀔🀕)

雀頭があるときの待ちで、2~8をつかった5連続形(23456など)のことです。

両面待ちに順子がくっついた形で、両面🀑🀒+順子🀓🀔🀕、順子🀑🀒🀓+両面🀔🀕の二通りにとることができ、待ちが3種類🀐🀓🀖になります。待ちが広い分、振聴になりやすいので注意が必要です。(枚数が多い分自摸上がりが期待できるので、場合によっては振聴リーチも悪くない選択です。)

1, 9を使った5連続形(12345)はただの両面待ち(45)と同じであり、3面張にはなりません。

・ノベタン(🀇🀈🀉🀊)

雀頭がないときの待ちで、4連続形(1234など)のことです。1が来ても4が来ても、順子+頭になります。

単騎待ちに一つの順子がくっついた形と理解することができます。単騎待ちに二つの順子がくっついたノベタン三面張(1234567)もあります。

点数計算上単騎待ちとなり平和が付かないことは欠点ですが、2や8を使っていてもタンヤオを確定できることはメリットです。

・暗刻+フォロー(🀝🀝🀝🀞

雀頭のない状態では、暗刻+フォローの形で聴牌をとれます。

両面の三面張形5556と嵌張の二面張形4446の両方があります。待ちはそれぞれ467と56です。

両面三面張やノベタンと比べて筋読みの効かない待ち牌があるというメリットもあります。

派生形として、単騎待ちが順子で伸びた形の暗刻+ノベタン(555-6789や 444-6789) や、反対方向に延びて順子が暗刻に食い込んだ槓子を含む形(345-555-6)、両面待ちだけが順子で伸びた順子+暗刻+フォローの形(234-555-6)があります。

このあたりの形は多面待ちに関係しない順子がかぶさっていると(1223345556とか) 大変見づらくなるので、暗刻の場所を手掛かりに探してみるのが良いです。

・九連宝燈もどき🀜🀜🀜🀝🀞🀞🀞

サンドイッチのように、一つの単騎待ち牌が二つの暗刻をどちらもフォローするような形(444-5-666, 333-5-777)になると待ちが広がります。(それぞれ34567, 456待ち)

また、間にはいっているのが単騎ではなくて、ノベタンになるとさらに待ちが広がり(222-3456-777)、間にノベタン3面張をいれると九連宝燈聴牌(111-2345678-999)になります。

説明しておいて難ですが、この形はあまり狙ってできる形でもなく頻発もしないので覚えなくてもよいです。暗刻があるときは雀頭がないほうが有利なときがあるとだけ覚えておきましょう。

ここで紹介した他にもシャンポンが絡む多面待ちなどがあります。

◎イーシャンテン(一向聴)

聴牌形をだいたい覚えたらつぎはイーシャンテンの形を覚えましょう。牌効率の理論は聴牌に近い方から覚えるのが理解しやすく、また効果的です。

・余剰牌型(🀇🀇🀌🀍🀎🀙🀚🀛🀑🀒🀖🀗🀂)

一雀頭🀇🀇、二面子(🀌🀍🀎, 🀙🀚🀛)、二つのターツ(🀑🀒, 🀖🀗)に加えて、不要な牌(余剰牌)🀂が一枚ある、普通のイーシャンテンです。この余剰牌は、イーシャンテンを崩さずに入れ替えることができます。他家に先制されたときのために安牌でもっておく打ち方が多いですが、余剰牌をドラやドラ周辺牌にしておけば、ドラターツやドラ雀頭ができたときに入れ替えて打点上昇とするチャンスがあり、余剰牌を順子のフォロー牌🀊としておけば三面張聴牌(🀊🀋🀌🀍🀎)のチャンスがあります。また嵌張ターツがあるときは、余剰牌に3~7をもっておき、両面ができたら入れ替えるということもできます。

両嵌型(🀇🀇🀍🀎🀏🀙🀚🀛🀑🀒🀔🀖🀘)

一つのターツ🀑🀒と一つの両嵌形🀔🀖🀘があるパターンです。イーシャンテンでの待ちの数は両面と同じですが、両嵌でないターツ🀑🀒が先に完成した場合、🀔🀘どちらかを切って嵌張待ちの聴牌になってしまうという欠点があります。

イーシャンテンとして579 か 357 のどちらかを選択をしないといけない場面があります。579とする場合、他のターツが埋まって聴牌するときに、出やすいとされる8を待つ79形か、安全牌になりやすい9を切って57で聴牌とするかを選べる長所があります。357とすると、23, 78両方への変化が見れるというメリットや、赤5を使った聴牌になりやすいというメリットがあります。

フォロー牌型(🀇🀇🀍🀎🀏🀙🀚🀛🀑🀒🀖🀗🀗

不要牌がターツのフォロー牌になっている形です。この形では雀頭が刻子🀇🀇🀇になったときも🀖切りで聴牌します。刻子ができて聴牌したときは平和がつかないことに注意しましょう。

このような両面🀑🀒+両面フォロー牌🀖🀗🀗のイーシャンテンは完全イーシャンテンと呼ばれています。この牌姿は効果が高いうえに狙いやすく、非常に重視されています。

両嵌型からの移行もしやすいです。両嵌型🀔🀖🀘と比べて、嵌子フォロー牌🀔🀖🀖のイーシャンテンは、両面フォロー牌🀖🀖🀗のイーシャンテンに移行することができることと、ポン🀇🀖で聴牌できることがメリットです。ドラや待ち牌の残り枚数によっては、フォロー牌型から両嵌型に移行することも考えられます。

・ヘッドレス型(🀇🀈🀉🀍🀎🀏🀙🀚🀛🀑🀒🀖🀗

面子🀇🀈🀉+面子🀍🀎🀏+面子🀙🀚🀛+ターツ🀑🀒+ターツ🀖🀗の形をした、雀頭のないイーシャンテンです。基本的にはターツにつかっている4牌のどれかが重なって雀頭に変化することを期待するのですが、先に4つ目の面子として完成してしまった場合、単騎待ちになってしまいます。

・暗刻ヘッドレス型(🀇🀇🀇🀍🀎🀏🀙🀚🀛🀑🀒🀖🀗

ヘッドレス型のうち、完成面子の一つが暗刻🀇🀇🀇であるパターンです。この場合は、4面子が完成した場合でも暗刻を雀頭🀇🀇に崩すことで好形聴牌がとれます。両面ターツ2つで構成された暗刻ヘッドレスは、待ちが最も多く、かつ好形聴牌が約束された(攻撃面では)最強のイーシャンテンと言えます。

明刻ではなく暗刻が必要で、また3面子が必要なことから序盤からこの形を意識することは難しいですが、狙えそうなときには狙うと早く聴牌できます。

・多面張含みのイーシャンテン

上で見てきたイーシャンテンの構成要素として、ターツ+面子を三面張に置き換えたり、ターツ+雀頭を暗刻+フォロー牌に置き換えたりすれば、もちろんさらに良い待ちになります。

◎中盤

雀頭をどこでつくるのかを意識しながら、好形イーシャンテンに寄せていきます。手が進むほど、面子が完成していき、手を進めることのできる牌(有効牌)の種類は減り、牌を待っている時間が長くなります。したがって、将来のイーシャンテン、聴牌の待ちの広さが目先の有効牌の数よりも重要です。(この考え方はイーシャンテンピーク理論と呼ばれています。)逆に、サンシャンテンの有効牌が32枚か30枚かなどの議論は忘れても勝率にはたいして影響しません。

・ブロック数を数える

待ちを広げて変化を可能にするフォロー牌も、後一枚で面子が完成するターツも両方強力な要素ですが、どちらかを切らないといけない場面があります。こうしたときに、将来のイーシャンテンや聴牌で生き残る要素を集中的に強化しようという考え方が有効です。これを5ブロック打法と呼びます。

ブロックとは雀頭もしくは面子となる予定の牌の塊のことです。要するに面子候補と雀頭候補の数を数えておこうという話なのですが、223のように雀頭になるのか面子になるのか未定の塊があるのでブロックと呼んでいます。基本的に、このブロックが5つになるようにターツを残すかフォロー牌を残すかを選択します。

この理論はあくまで13枚の手牌という制限のなかで何を優先するか?という話なので、序盤ならば6ブロックでも持てるのであれば持ったらよいでしょう。また、暗刻ヘッドレスのイーシャンテンを狙う場合は、イーシャンテンにフォロー牌を持ち込まないので6ブロック打法を続けても問題ありません。

序盤は中ふくれ形などを2ブロックと数えたり、中張牌の孤立牌を0.5ブロックくらいとみて判断するのがよいでしょう。

・フォロー牌どうしの選択

フォロー牌を選択するときは、将来どちらかと言えば対子や刻子として使いたいターツのフォローを優先します。つまり、嵌張ターツや辺張ターツのフォローを優先したり(「弱い部分をフォローする」)、ドラのフォローを優先します。また、223 と  667 を選択するとしたら、タンヤオで一翻盛りたいときは22367とし、1待ちでのロンしやすさを重視するなら23667とします。

・中ぶくれ形など

中盤では、順子のフォロー牌(3567)や中ふくれ(2334)よりも、イーシャンテンで待ちを広げられるターツのフォロー牌(334)を優先したほうが良い場面が多いですが、フォローされている順子が二つあるときは、2面子1両面に移行しやすいので有用です。

中ぶくれ形から二枚を切って雀頭にするのは効率が悪いです。(一枚切って両面+フォローとした場合は、両面としては振聴となってしまう。)雀頭がないときは、孤立牌の重なりを期待するほかに、ノベタン形を期待したり、一旦6ブロックに構えるのが有効です。

・河を観察する

理論上いくら広い待ちであっても、待ち牌がカンされていたら何の意味もありません。狙っている聴牌が本当に和了れる聴牌なのか、またフォロー牌が広げるはずの待ちが本当にまだ山にあるのかどうか、河を見ておきましょう。

◎孤立牌1, 9の切り順

和了を目指していくなら、序盤は孤立字牌・孤立1、9から切っていきましょう。

1を含む面子は111か123しかあり得ません。2, 3を引いたときに1を持っていると得をするかどうかで考えましょう。

・孤立牌 4 (6) があるとき(🀇🀊🀑🀒🀔・・・

1を切ったとしても、2を引いたときは 2, 4の嵌張ターツができ、3を引いたときは両面ターツができます。1があると12の辺張や13の嵌張ととることもできますが、どちらも待ち牌を増やさないので結局あとで1を切る羽目になることが多いです。

したがって、孤立役牌や安牌候補よりも優先して切っても差し支えない牌といえます。対子 44 (66) があるときも同様ですが、対子候補が他にないときは1を切る理由としては弱まります。

孤立役牌より価値が低いかどうかは別として、似たような理由で5があるときの2, 8も切りやすい牌です。

ターツ 34 (67) があるとき(🀇🀉🀊🀑🀒🀔・・・)

134の形で1が活きるには2が埋まる必要がありますが、埋まったところで孤立牌4ができるだけです。(しかも2, 3を使っているので有効牌の枚数が減っている)

ただし、雀頭がないときは、11の対子の可能性の他、1234でノベタンがつくれるというメリットはあります。

他の使い道としては、どうしても悪配牌から和了りたいときに一気通貫を鳴くことができるくらいでしょうか。

・ターツ45(56)があるとき(🀇🀊🀋🀑🀒🀔・・・

34のときは3を引いても 334 のフォロー付き両面になりましたが、45の時は2を引くと245となり2が役に立たたなくなります。23456の三面張になると2は活きますが、1を切っていると振聴です。どうしてもドラの2を自模って使いたいというときは1を残すのもありでしょう。

・近くに牌がないとき(🀇🀏🀑🀒🀔・・・

混一色を狙わないのであれば、上記の19牌と比較すると残しておいてもよい牌です。先に孤立1を切っていると、後から3→2と自摸ったときに、振聴になってしまうという問題もあります。このとき振聴ターツとなる可能性を嫌って孤立3を切った場合はさらに振聴の可能性を広げてしまいます。

孤立牌 5 があるとき(🀇🀋🀑🀒🀔・・・)

3を自模ると、1-3-5の両嵌形になるので、孤立1の中ではもっともましな部類です。面子不足の時に556などがある場合も同様です。

◎最後に

これだけ覚えておけばまあ普通には打てるようになると思います。また、牌効率の議論からどれぐらいの速度で聴牌しそうかを推定し押し引きの判断材料に使ったり、フォロー牌による変化を活用して回し打ちをしたりといった応用があります。

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