筋カウンティングと事後確率
無筋牌の危険度を評価するために、すでに通っている筋の数を数えることを筋カウンティングといいます。これは残っている筋の数が少なければ、その分当たりやすいという考えに基づく戦術です。たとえば
の9種類の牌・10本の筋が通っているとき、10種類の両面待ちが否定されます。
結果として、この状況で切る無筋牌(たとえば8s🀗)は、残った8種の待ちのうち一種類の待ち(67s🀕🀖)に当たるので、危険度が1/8になると考えます。
筋カウンティングを聞いたことのない人も、序盤で切る無筋牌よりも、終盤で切る無筋牌のほうがより危険だという経験則を持っているのではないでしょうか。
無筋牌の危険度
さて、筋カウンティングの考え方を使うと、
(無筋牌がリーチ者に当たる確率) = (両面リーチ率) ÷ (残っている筋の数)
で計算できる気がします。しかし、実はそうとはいいきれません。
序盤の先制リーチに対してどんどん無筋牌が押されて行っているのに、リーチ者は一向に和了れない・・・といった場面を考えてみてください。このリーチ、じつは愚形では?という考えがよぎるのではないでしょうか?
実際に、「筋がたくさん通ったのに上がれなかった」という事実をもとに「この場面での両面リーチ率」を低く補正することができます。(このように観察された事実をもとに補正された確率を事後確率とよびます)
計算方法についてはWikipediaか教科書を読んでもらうこととして、ここでは一定の仮定のもとに計算した両面リーチ率(事後確率)の結果をのせます。筋が通れば通るほど、リーチがもともと両面待ちであった確率がさがります。
これをもとに牌の当たり確率を計算すると以下のようになります。(これは筋1本あたりの確率なので、無筋4~6の危険度は2倍です。)
こう見ると、筋カウンティング的には危険すぎる終盤であっても、点棒状況によっては片筋牌を切って勝負するのも合理的選択になるかもしれません。
次回予告?
実は、事後確率を計算するには愚形待ちでの和了率を計算する必要があるのですが、これを通った筋の本数から計算するのは無理があります。今回は愚形での和了率を(リーチ後の数牌打牌数) / (残り数牌の数) とし、さらに (打たれた数牌の数)=(打たれた筋の数) と仮定しました。次回は実際のデータで見ていきたいと思います・・・。
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